業界研究 鉄鋼・非鉄金属
ものづくりの土台となる「素材」を生み出す
業界キーワード
●鉱山権益
出資や融資を通じて鉱山会社の運営に加わり、その割合などに応じて産出された資源を引き取ったり、配当金を得たりする権利。資源権益、原料権益とも呼ばれる。
●資源メジャー
鉄鉱石や石炭、金などの資源の採掘や精製、製品化などの権益を押さえている世界的な巨大企業のこと。近年は再編が進み、鉄鉱石大手はブラジルのヴァーレ、英豪系のBHPビリトン、リオ・ティントの3社に集約された。各資源分野でこのような寡占化が進行し、資源メジャーの価格交渉力が高まっている。
●メタルスプレッド
製品価格と原料価格の差。原料となる鉄鉱石、石炭、鉄スクラップの価格が乱高下すると、製品の販売価格を適正に保つことが困難なため、両者の差(利益)を確保することが難しくなる。
●レアメタル
ニッケル、チタン、バナジウムなど、流通量・消費量の少ない希少な金属で、半導体産業や自動車産業に不可欠な素材。レアメタルの一部の元素(希土類)は「レアアース」と呼ばれる。レアメタルが希少とされるのは、採鉱される鉱石に含まれる割合が非常に少なく、単体として取り出すことが技術的に困難で、採掘と精錬に高いコストがかかるため。レアメタルが含まれる携帯電話や家電製品などの廃棄物は「都市鉱山」と呼ばれ、新たな資源供給源として期待されている。
●小型家電リサイクル制度
市町村が窓口となって使用済みの小型家電(携帯電話、デジタルカメラ、ドライヤー、電話機、ラジオ、ゲーム機など)を回収し、再資源化を図る仕組み。回収された小型家電は国が認定するリサイクル事業者が細かく分解したあと、製錬事業者が貴金属やレアメタルなどの資源に変えて、新たな製品の原材料として再利用する。