業界勢力図  旅行・ホテル

旅行 ~ 国内観光、訪日旅行、ネット系旅行商品が成長分野

旅行業界旅行取扱高ランキング&対前期比

1 JTBグループ(14社合計) 1兆4,466億円 やや増加

2 阪急交通社 3,874億円 増加

3 日本旅行 3,869億円 横ばい

4 エイチ・アイ・エス 3,783億円 やや増加

5 近畿日本ツーリスト 3,277億円 やや減少

(旅行取扱高は2012年4月~2013年3月累計。国土交通省観光庁「平成24年主要旅行業者旅行取扱状況年度総計」に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 JTBグループ

国内最大の旅行会社。海外旅行の「ルックJTB」などパッケージツアーを主力とする旅行業のほか、時刻表や旅行雑誌「るるぶ」などの出版業(現在はJTBパブリッシングに分社化)、ホテル、不動産、情報サービスなどさまざまな事業を展開。グループ企業は176社。2011年に大規模な旅行事業の再編を行い、経営効率の向上や販売態勢の強化を図った。近年はアジアからの訪日旅行やネット事業を強化しており、2011年に中国の合弁会社が現地での海外旅行販売の許可を取得。2012年にはリクルートと海外旅行商品のネット販売で業務提携を結んだ。2013年には世界最大のオンライン旅行会社エクスペディアの日本向けサイト「エクスペディア ジャパン」と業務提携したほか、NTTドコモとスマートフォンでの旅行サービス事業で提携を結んでいる。2015年までの3年間で東南アジアを中心とした海外の旅行会社との提携やM&A(合併・買収)に最大210億円を投資し、外国人向け旅行事業の取扱高を2020年度までに2.6倍にする計画を立てている。

 

2位 阪急交通社

阪急阪神ホールディングスの中核企業。海外旅行に強い。新聞広告やWebサイトを活用したメディアによる集客が特徴で、国内・海外パッケージツアーブランド「トラピックス」などを展開している。近年はアジアからの訪日旅行に注力しており、尖閣問題で落ち込んだ中国人観光客の回復策にも力を入れている2010年に世界最大のオンライン旅行会社エクスペディアの日本向けサイト「エクスペディア ジャパン」と海外ホテル事業における業務契約を締結している。

 

3位 日本旅行

西日本旅客鉄道(JR西日本)の連結子会社。国内旅行に強く、旅行取扱額の6割弱を占める。JR西日本との連携で経営体質の改善と店舗網の強化を図っている。2011年にリクルートと業務提携を結び、同社の旅行予約サイト「じゃらんnet」向けの旅行商品を開発するなど、ネット事業のテコ入れを実施。

 

4位 エイチ・アイ・エス

独立系の旅行会社で、格安旅行券の草分け的存在。格安旅行券販売を中心に国内・海外旅行やホテル事業などを展開し、旅行取扱額の9割を海外旅行が占める。国内旅行、アジアからの訪日旅行、ネット事業を強化中で、2012年にANA(全日本空輸)と国内・訪日旅行の掘り起こしに向けた提携を結んだほか、国内の宿泊予約サイト「スマ宿」を開設。タイ・バンコクで国際チャーター航空会社「アジアパシフィックエアラインズ」を設立し、航空事業へ再参入を果たしている。2010年に買収し、再生支援を行ってきた長崎のテーマパーク、ハウステンボスが2011年9月期に初の黒字化を達成。

 

5位 近畿日本ツーリスト

近鉄グループの旅行会社。2013年1月にKNT(近畿日本ツーリスト)とクラブツーリズムが統合し、KNT-CTホールディングスが誕生。近畿日本ツーリストは同社傘下の事業会社として新たにスタートし、団体旅行、MICE(国際会議などによるビジネスツアー)に特化した旅行事業を展開している。ネットサービスの強化やアジアからの訪日旅行に注力。

 

このほか、ANAセールス(ANA)、ジャルパック(JAL)、トップツアー(旧・東急観光。東急グループから離脱)、名鉄観光サービス(名鉄)、ジェイアール東海ツアーズ(JR東海)など。ネット専業旅行会社には、楽天トラベル(楽天)、リクルート(じゃらんnet)、ヤフー(ヤフートラベル)、一休(一休.com)などがある。

 

▶次ページではホテル業界(国内高級系・不動産系)を紹介。業界全体の動向については業界研究をチェック!

 

 


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