業界研究  人材

企業と個人のニーズに合った採用を取り持つ

業界の特徴

自社の目的に適した人材を効率的に採用したい企業、自分に合った仕事や働き方を求める個人、この両者のニーズを結び合わせるのが人材業界の仕事。主な人材サービスに、「人材派遣」「人材紹介」「アウトソーシング・業務請負」がある。

 

「人材派遣」は、人材サービス会社が労働者と労働契約を結んだ上で、企業の要望に応じて労働者を派遣するサービス。労働者への業務の指示監督は派遣先の企業が行う。

 

「人材紹介」は、人材サービス会社が企業の要望に応じて即戦力となる人材を紹介するサービス。人材サービス会社は紹介した労働者が企業から得た賃金の一部を報酬として受け取る。

 

「アウトソーシング・業務請負」は、人材サービス会社が企業と業務委託契約を結んで製造や営業などの業務を請負い、労働者を斡旋するサービス。労働者への業務の指示監督は人材サービス会社が行い、その業務の成果に対して企業から人材サービス会社へ報酬が支払われる。労働者は人材サービス会社を介して報酬を受け取る。

 

このほか、近年はリストラ時の「再就職支援」、若者向けの「就職支援」といった新たなサービスに力を入れる人材サービス会社も増えている。

 

業界の動向

2008年をピークに国内市場の縮小が続く人材業界。2011年度は東日本大震災、2012年度は同年10月に施行された「改正労働者派遣法」による規制強化などで事務系派遣を中心に企業の派遣離れが進み、苦戦を強いられた。しかし、その後は自動車メーカーを筆頭に国内大手企業の業績回復が進むにつれ、研究開発に携わる技術者派遣の需要が増加。製造業に特化した製造者派遣も今後、需要が上向くと見られる。また、派遣を敬遠した企業が中途の正社員や契約社員の採用にシフトしたことから、人材紹介の需要も拡大傾向にある。

 

とはいえ、国内メーカーが生産拠点を海外に移転する動きは年々加速し、国内市場では大きな成長は見込めない。大手各社は国内外で積極的にM&Aを展開し、アウトソーシングや専門職分野の拡大、海外市場の開拓などに取り組んでいる。

 

▶主要企業の業績や最新動向については業界勢力図をチェック!

 


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