業界勢力図 ゲーム・アミューズメント
ゲーム ~ スマホ向けゲームの急伸で家庭用ゲーム機が低迷
ゲーム業界(ハード&ソフト)売上高ランキング&対前期比
1 ソニー 7,071億円 横ばい
2 任天堂 6,354億円 横ばい
3 バンダイナムコHD 2,635億円 増加
4 コナミ 1,164億円 減少
5 スクウェア・エニックスHD 894億円 大幅増
※ソニー、バンダイナムコHD、コナミ、スクウェア・エニックスHDは家庭用ゲーム部門の売上高。ソーシャルゲームのディー・エヌ・エーとグリーについてはインターネット業界を参照
(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)
主要企業の最新動向&トピックス
●1位 ソニー
1990年代半ばにゲーム市場に参入。以来、任天堂とハード機普及競争を繰り広げてきたが、任天堂の大失速により2011年度に首位浮上。主力ソフトは「グランツーリスモ」「みんなのゴルフ」。2011年12月に発売した携帯型ゲームの新型機「プレイステーション・ヴィータ(PSVita)」のユーザー拡大を目指しているが、ゲーム機本体をけん引するような有力ソフトがないことから苦戦。ゲーム機本体の低迷を補うべく、プレイステーション対応ゲームをダウンロード購入できるオンラインストア「プレイステーションストア」に注力。2012年秋にはスマートフォン向けサービス「プレイステーションモバイル」のコンテンツ配信も開始した。2013年に北米で投入した「プレイステーション(PS)4」の国内発売を2014年2月に予定している。
●2位 任天堂
ハードでは携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」、体感型ゲーム「Wii」、ソフトでは「スーパーマリオ」「ポケットモンスター」「どうぶつの森」と、記録的なヒットを連発する業界の牽引役。しかし、2011年2月に発売した「ニンテンドー3DS」が東日本大震災や円高による国内・海外市場の冷え込みで苦戦。2012年にはWiiの後続機「Wii U」を投入して再浮上を狙うも奮わず、二期連続の営業赤字に沈んでいる。一方、独創性に定評のあるパッケージソフトの人気は衰えず、2012年も国内ゲームソフト販売総数でシェア1位を獲得している(エンターブレイン調べ)。ソーシャルゲームの台頭を受け、2012年に一部ソフトのダウンロード販売に踏み切った。
●3位 バンダイナムコホールディングス
玩具大手のバンダイと、アミューズメント事業を運営するナムコの経営統合により2005年に発足。家庭用ゲームソフトのほか、業務用ゲーム機の製造販売や「ナムコ・ナンジャタウン」などアミューズメント施設の運営も行っている。現在の主力はモバイルゲームで、無料配信・追加課金による収益拡大を推進。主力ソフトに「ガンダム」「鉄拳」「ワンピース」がある。
●4位 コナミ
「ウイニングイレブン」「メタルギアソリッド」「ラブプラス」など人気ソフトを多数保有。オンラインゲームや携帯ゲーム向けコンテンツ、業務用ゲーム機の開発・運営も手がける。ソーシャルゲームでは2010年にグリーで配信を開始した「ドラゴンコレクション」が空前の大ヒットとなり、2012年度も好調を維持している。同年、子会社のゲームソフトメーカー、ハドソンを吸収合併。
●5位 スクウェア・エニックス・ホールディングス
スクウェアとエニックスの統合により2003年に誕生。持株会社化にともない、2008年より現社名で営業している。「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」などのロールプレイングゲームソフトが主力。アミューズメント施設の運営、業務用ゲーム機の製造販売、出版、自社コンテンツの二次利用やライセンス管理なども行っている。近年はMMORPG(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)などの大型オンラインゲームやブラウザゲーム、スマートフォン向けゲーム、追加コンテンツ配信などを推進している。
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