業界研究 運輸
速く・便利に・快適に人やモノを運ぶ
業界の特徴
運輸業界は、バスやタクシー、トラックなどによる「陸上運輸」、船舶による「海上運輸」、航空機による「航空運輸」、JR・私鉄各社による「鉄道運輸」に大別され、それぞれの手段で人(旅客)やモノ(貨物)を運ぶ役割を担う。
「陸上運輸」は国内貨物輸送の大半を担い、運送会社が主にトラックやトレーラーで企業間物流や個人向けの宅配便、引越しなどのサービスを提供している。近年は顧客企業のグローバル展開にともない、大手各社が国境を越えた輸送体制の構築に力を注いでいる。
「海上運輸」は主に企業間における貨物の輸出・輸入を担い、日本の産業を支えている。エネルギー・金属資源、穀物や綿花などの原材料、工業製品など、海運会社が扱う貨物は幅広い。企業間競争が激しいうえ、資源や原材料の価格変動、国内外の景気動向などに荷動きが左右されやすく、運賃が安定しないことが恒常的な課題となっている。
「航空運輸」は、幅広い航路網と従来型の幅広いサービスを提供する「フルサービス航空会社」と、サービスを簡略化して低価格でのフライトを提供する「格安航空会社(LCC)」に分類される。LCCの台頭により、近年は企業間の競争が激化している。
「鉄道運輸」は旅客輸送がメインだが、少子高齢化による人口減少で輸送人員の拡大は見込めない。JR・私鉄各社は本業の鉄道事業から流通や不動産など鉄道以外の分野へと事業を拡大し、多角化を推進している。