業界勢力図　　テレビ・ラジオ

テレビ・ラジオ ～ ネットとの融合、事業の多角化が今後のカギ

テレビ・ラジオ業界売上高ランキング＆対前期比

1　フジ・メディア・HD　6,320億円　やや増加

2　TBS(東京放送)HD　3,523億円　横ばい

3　日本テレビHD  3,264億円　やや増加

4　テレビ朝日　2,537億円　横ばい

5　テレビ東京HD　1,153億円　横ばい

（数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成）

 

主要企業の最新動向＆トピックス

ランキング上位を占める民放キー局5社は、かつて敵対視していた大手動画サイトとの関係を強化している。5社すべてがヤフー傘下の映像配信会社GyaOに出資し、YouTubeに公式チャンネルを開設。2012年には電通と5社が共同でビデオオンデマンドサービス「もっとTV」を開始したほか、NTTドコモのスマートフォン向け放送サービス「NOTTV」に5社すべてが出資とコンテンツ提供を行っている。

 

●1位　フジ・メディア・ホールディングス

フジサンケイグループの中核企業。傘下のフジテレビジョン（フジテレビ）をキー局とするFNN（フジニュースネットワーク）を形成し、スカパー!でCS放送も手がける。このほか、ラジオのニッポン放送、音楽・DVD販売のポニーキャニオン、出版の扶桑社、通販のディノス、セシールなど、多様なマスメディアを傘下に収め、映画やDVD・CD販売、フジテレビ主催のイベント「お台場合衆国」など放送外収入の拡大にも力を入れている。フジテレビはドラマやバラエティに強く、トップクラスの視聴率を誇ってきたが、2011年に視聴率8年連続3冠（全日帯、プライム帯、ゴールデン帯）の座を日本テレビに奪われ、2012年には3位に後退している。

 

●2位　TBS(東京放送)ホールディングス

2009年4月、放送法が定める認定放送持株会社（放送免許を持つ放送局を傘下に有する純粋持株会社）へと移行。TBSテレビ、TBSラジオ＆コミュニケーションズ（TBSラジオ）、BS-TBSなどを傘下に収め、TBSテレビ（TBS）をキー局とするJNN（ジャパンニュースネットワーク）を形成している。CS放送はスカパー!で展開。報道番組やテレビドラマの制作を得意とするが、視聴率は4位と苦戦中。複合施設「赤坂サカス」などの不動産、半導体製造装置メーカー・東京エレクトロンへの投資などによる放送外収入の占める割合も大きい。

 

●3位　日本テレビホールディングス

読売グループ所属。2012年10月、旧・日本テレビ放送網の認定放送持株会社化にともない、現社名に変更。地上波放送事業は傘下の現・日本テレビ放送網（日テレ）に移管され、これをキー局とするNNN（ニッポンニュースネットワーク）を形成している。このほかの主要子会社に、BS日本、シーエス日本、アール・エフ・ラジオ日本などがある。売上高の約8割を放送収入が占めるが、映画、DVD販売、音楽、汐留シオサイトでのイベント事業も推進。自社HP経由の番組無料配信サービス「第 2 日本テレビ」ではテレビ放映の独占権を持つスタジオジブリ作品や報道コンテンツなどを中心にビデオ・オン・デマンドを展開し、広告収入の獲得にも力を入れている。2011年にフジテレビを抜いて8年ぶりに年間視聴率3冠を奪還し、2012年には年間視聴率2冠（全日帯、ゴールデン帯）を獲得している。

 

●4位　テレビ朝日（tv asahi）

朝日新聞社系列。ANN（オールニッポンニュースネットワーク）のキー局。スカパー!でCS放送を展開。売上高の9割近くを占める放送事業では、バラエティ番組やサッカー中継を中心に視聴率の向上を図り、上位に定着。2012年度のゴールデン帯とプライム帯の年度視聴率で首位を獲得し、開局以来初となる視聴率2冠を達成した。ネット配信やイベント開催など音楽事業にも力を入れ、放送外収入の拡大に取り組んでいる。

 

●5位　テレビ東京ホールディングス

日本経済新聞社系。テレビ東京、テレビ東京ブロードバンド、BSジャパンの経営統合により、2010年10月に認定放送持株会社として発足。テレビ東京（TV TOKYO）をキー局に、全国6局でTXN（テレビトウキョウネットワーク）を形成している。経済番組やアニメに強く、傘下のエー・ティー・エックスが運営するアニメ専門チャンネル「AT-X」も好調。「ポケットモンスター」などのアニメを中心とした版権ビジネスも大きな収益柱となっている。

 

このほか、受信料により運営する公共放送事業体の日本放送協会（NHK）、BS放送のWOWOW、CS放送のスカパーJSATホールディングス、ケーブルテレビのジュピターテレコム、有線ラジオ放送のUSENなどがある。

 

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