業界研究  新聞・出版

人々の心をつかんで動かす活字メディア

業界の特徴

信頼性の高い情報を日々提供する新聞業界。新聞には、全国で販売される「全国紙」、北海道もしくは複数の都県にまたがって販売される「ブロック紙」、主に県内の読者を対象にした「地方紙」、スポーツなど娯楽関連ニュースを中心とした「スポーツ紙」、特定の業界に関する報道を行う「業界紙」がある。

 

出版業界は、書籍や雑誌の企画・編集・制作を行う「出版社」と、出版社と書店をつなぐ流通業者の「書籍取次」からなり、関連業界に印刷や書店がある。近年は電子書籍を扱う「電子取次」や「電子書店」といった新分野も誕生している。出版社は、文芸、ビジネス、美術、情報・教育、雑誌、漫画などの専門分野を持つ出版社と、幅広いジャンルの書籍・雑誌の出版を行う総合出版社に大別される。

 

業界の動向

新聞業界

インターネットの普及により、近年は若者だけでなく親世代でも「新聞離れ」が進行。2012年の新聞広告費は前年比4.2%増の6,242億円(電通調べ)と10年ぶりにプラスに転じたが、新聞発行部数は8年連続の前年割れの4,777万部(同年10月時点。日本新聞協会調べ)となり、厳しい状況が続いている。

 

こうした中、新聞各社は有料の電子版の配信で若年層の取り込みや収益確保を図るほか、無料の情報配信や若者向けコンテンツの提供など、有料電子版への導入を狙った取り組みを推進。新聞各社や異業種との提携、グループ再編や組織改編も積極的に行っている。

 

出版業界

活字離れに歯止めがかからず、出版業界は1996年をピークに低迷が続いている。近年はスマートフォンの普及も逆風となり、2012年の出版物販売金額は前年比3.6%減の1兆7,398億円と、8年連続の前年割れ。雑誌の販売金額は4.7%減の9,385億円で、15年連続のマイナスとなった(全国出版協会調べ)。2012年の創復刊点数は98点、休廃刊点数は152点と、7年連続で休刊点数が創刊点数を上回り、雑誌広告も大幅な増加は望めないという深刻な事態に陥っている(電通調べ)。一方の書籍もヒット作の少なさが響き、販売金額は6年連続前年割れの8,013億円となっている(全国出版協会調べ)。

 

出版各社は、複数のメディアを組み合わせて活用するメディアミックスクロスメディアに力を入れるとともに、電子書籍を新たな収入源とすべく普及・促進を強化。印刷会社や取次が書店・電子書店の買収や提携により、事業の強化を図る動きも加速している。

 

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