業界勢力図  流通

百貨店 ~ アベノミクス効果で売上増も、消費増税を前に新たな成長戦略を模索

百貨店業界売上高ランキング&対前期比

1 三越伊勢丹HD 1兆2,369億円 横ばい

2 J.フロント リテイリング 1兆0,927億円 大幅増

3 高島屋 8,703億円 やや増加

4 そごう・西武 7,984億円 横ばい

5 エイチ・ツー・オー リテイリング 5,251億円 横ばい

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 三越伊勢丹ホールディングス

三越と伊勢丹の経営統合により2008年に誕生。主要子会社に三越伊勢丹、札幌丸井三越、岩田屋三越、JR西日本伊勢丹、関連会社にプランタン銀座などがある。2010年に三越銀座店の売り場面積を増床し、2011 年にはJR大阪三越伊勢丹を新規開業。2012年には伊勢丹新宿本店の大型改装(2013年開業)に着手する一方で、不採算店舗だった新宿三越アルコットの閉店に踏み切っている。同年に伊勢丹新宿本店の販売ノウハウや商品調達力を活かした高級化粧品専門店「イセタンミラー」の展開を駅ビルで開始するなど、高級化路線を推進。海外ではアジアでの出店を加速している。

 

2位 J.フロント リテイリング

大丸と松坂屋ホールディングスの経営統合により2007年に設立。大丸、松坂屋での百貨店事業を軸に、スーパーや卸売りなども手がける。2007年に東京八重洲口に大丸東京店を新店として増床開業。2010年にそごう心斎橋本店を取得し、大丸心斎橋店北館としてオープンした。2011年には大丸梅田店を、2012年には同東京店を増床リニューアルオープンしたほか、松坂屋名古屋本店を改装オープン。2016年には松坂屋銀座店を建て替え、大型商業施設の開業を予定している。中国市場の本格開拓に向けて、2014年末に上海へ進出予定。大丸主導でローコスト経営を推進しており、既存百貨店では衣料ブランドのテナント誘致で集客力強化や人員削減を敢行。2012年にはファッションビルのパルコを子会社化し、商業デベロッパーとしての姿勢も強めている。

 

3位 高島屋

大阪、東京(日本橋・新宿)、横浜、京都など全国に大型店を展開。子会社の東神開発でショッピングセンター運営も手掛ける。2007年に高島屋新宿店を改装オープンし、2011年には大阪店の増床・リニューアルを実施。2018年度には東京店(日本橋)の近隣に高層ビルを建設して新たな売り場を設け、同店の売り場面積2割増床を予定している。高島屋新宿店・立川店にカジュアル衣料品店「ユニクロ」をオープンするなど、低価格ブランドを強化中。海外では、2012年に中国1号店を開店。2015~16年には国内百貨店初のベトナム進出を予定している。エイチ・ツー・オー リテイリングとの統合を計画していたが、2010年3月に破談し、業務提携にとどめることを発表した。

 

4位 そごう・西武

セブン&アイ・ホールディングス傘下。2009年にそごう、西武百貨店、ミレニアムリテイリング、ロビンソン百貨店の 4社が合併して誕生。 旗艦店の西武池袋店に経営資源を集中し、2010 年に改装を完了。2013年秋にそごう横浜店を全館改装オープンした。他方では、2010年の有楽町そごう閉鎖を皮切りに、不採算店舗の整理を進めている。

 

5位 エイチ・ツー・オー リテイリング

2007年、阪神百貨店と阪急百貨店の統合により発足。子会社の阪食で阪急沿線での食品スーパー事業を展開。関西が地盤だが、阪急は有楽町、横浜にも出店している。2011年に博多阪急を開店、2012年に阪急うめだ本店を大型増床オープンする一方で、神戸阪急の閉鎖に踏み切っている。

 

近年の相次ぐ再編により、業界には上記の5大グル—プが君臨。電鉄系百貨店や地方百貨店が後を追うという構図が出来上がっている。電鉄系百貨店は、近鉄百貨店、東急百貨店、京王百貨店、東武百貨店、小田急百貨店、京阪百貨店、名鉄百貨店など。地方百貨店には、井筒屋(北九州)、松屋(東京)、さいか屋(神奈川)、大和(北陸3都市)などがある。

 

▶次ページではスーパー業界を紹介。業界全体の動向については業界研究をチェック!

 


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