業界研究  流通

モノを通じて人々に豊かで快適な毎日を提供

業界の特徴

流通業界は、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、家電量販店、ホームセンター、ディスカウントストア、ドラッグストア、書店、アウトドア用品店、インテリア専門店などの多数の分野からなる。扱う商品やサービスが消費者にとって身近なものである分、不況の影響がダイレクトに反映されることが特徴。スーパー、コンビニ、百貨店などは、メーカー製品より割安なプライベートブランド(PB。自主企画商品)を強化し、他社との差別化を推進している。

 

業界の動向

百貨店業界

少子高齢化、若者の百貨店離れ、郊外型のショッピングモールやアウトレットの台頭、ネット通販の拡大、長引く不況など、百貨店業界は厳しい環境に置かれている。2012年の全国百貨店売上高は6兆1,453億円で、市場規模は16年連続の縮小となっている(日本百貨店協会調べ)。しかし、既存店ベースの売上高は前年比0.3%増とプラスに転じており、2013年には安倍政権の経済政策「アベノミクス」にともなう株高で消費マインドが回復。高級時計や宝飾品、輸入ブランド衣料品など高額商品の販売が伸び、売り上げ増を維持している。とはいえ、アベノミクス効果がどこまで続くかは未知数で、2014年4月に予定されている消費増税後は、再び厳しい消費不況にさらされると見られる。

 

近年、大手各社は地方や郊外での不採算店舗の閉鎖、都市部での既存店舗の増床・改装や新規開店を実施し、集客や収益のアップを図ってきた。今後、各社は衣料ブランドのテナント誘致、低価格ブランドやPBの強化による低価格路線、富裕層を狙った高級化路線など独自の戦略を一層強化し、拡販を目指すとしている。

 

スーパー業界

2012年の全国スーパー売上高は12兆5,340億円と、16年連続の前年割れ(日本チェーンストア協会調べ)。スーパー業界にはいまだアベノミクス効果の波及は感じられず、消費の冷え込みや経済のデフレ化による商品の低価格化が続いている。異業種との競争も激化しており、総合スーパーは低価格の衣料品専門店やインテリア専門店、食品スーパーは総菜やPBを売りにするコンビニ、食品販売を拡大するドラッグストアに客足を奪われ、苦境を強いられている。

 

こうした中、大手各社は不採算店舗の閉鎖と共に、店舗網の薄い地域への出店や海外進出を加速。競合スーパーの買収や総合商社との資本・業務提携による事業拡大にも積極的に取り組んでいる。また、食品スーパー99社で構成する日本スーパーマーケット協会は、2014年に控える消費増税後の価格表示について、消費者に割高感を与えない「税抜き」の価格表示を基本とする方針を固め、消費意欲の減退を最小限に食い止めたいとしている。

 

コンビニ業界

国内店舗数が全国で4万店(2012年末に5万店を突破)を超え、近年は飽和状態による停滞が続いていたコンビニ業界だが、2010年度以降、市場は拡大基調にある。東日本震災後にいち早く流通体制を回復させたことや、日持ちする総菜や生鮮野菜などを取りそろえていることから利便性が見直され、女性や高齢者など新しい客層の支持を獲得したことが好調の要因だ。

 

しかし、震災後の需要増の反動から、2013年は成長が鈍化。消費者ニーズにうまく対応できているコンビニと、対応が後手に回っているコンビニとの間で格差が広がりつつある。こうした中、最大手セブン-イレブンが国内での出店攻勢を仕掛け、チェーン間で空前の出店競争が勃発。中国や東南アジアを中心とした海外出店も加速している。

 

▶主要企業の業績や最新動向については業界勢力図をチェック! 

 


  • 前のページに戻る

会員の方はこちら

教師番号(※教師番号がない方はメールアドレス)
パスワード

ログイン

  • 新規会員登録はこちら
  • 採用お祝いポイントプレゼント!
  • 掲載希望の企業様へ 是非徒も貴社の広告宣伝、求人活動にご活用ください。