業界研究  エネルギー

日々の生活や企業活動に不可欠なエネルギーを供給

業界キーワード

再生可能エネルギー固定価格買取制度

再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度。2012年7月に施行された。これによりコストの回収見通しが立ちやすくなり、発電設備の導入・普及が進むと期待されている。

 

新電力(特定規模電気事業者)

大手電力会社が保有する電線網を使って主に電力の販売(配電)を行う企業。電気は自家発電しているメーカーなどから購入するが、自前の発電施設で発電を行っている企業もある。東京電力福島第一原発事故後、原発の稼動停止の影響で大手電力各社が電気料金の値上げに踏み切る中、割安な料金で注目を集め、大手電力から乗り換える企業や自治体が増えている。供給能力の低さが課題だったが、最近では製紙会社や石油元売りなどが大規模な発電施設を新設して参入するケースも見られ、勢力を強めている。

 

発送電分離

電力会社の発電と送配電の事業を分離すること。電力会社が独占している送電網を開放することで新たな発電事業者が参入しやすくし、競争を促すことを目的に、政府が2018~20年をめどに発送電分離を実施する方針を固めている。これにより小売電気事業者は最も条件のよい発電事業者から電力を調達し、送配電事業者を経由して顧客に販売することが可能になる。

 

エネルギー供給構造高度化法

正式名称は「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」。石油、電気、ガスのエネルギー供給事業者に対し、非化石エネルギー源の利用と化石エネルギー源の有効利用を義務付けた法律。2009年8月に施行された。これにより石油各社は2014年3月末までに重質油を処理する装置を設置するか、製油所全体の処理能力を削減するかの選択を迫られているが、分解装置には多額の投資をともなうため、多くの石油会社が設備削減を選んでいる。

 

石油メジャー(国際石油資本)

資本力と政治力で石油産業の全段階をカバーし、シェアの大部分を独占する国際的な石油会社。米エクソンモービル、英BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)、蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなどが代表的。石油メジャーのうち、第二次世界大戦後からオイルショックまで石油生産をほぼ独占していた7社は「セブンシスターズ」と呼ばれていたが、近年は中国やブラジルなど新興諸国の石油メジャー7社が「新セブンシスターズ」と称されている。

 

原子力発電所の新規制基準

原子力規制委員会(原子力安全の規制を担う環境省の外局機関)が定めた原発の新しい規制基準。福島第一原発事故を踏まえ、地震・津波対策や設計規準の強化に加えて、原子炉の炉心溶融・損傷、格納容器の破損、放射性物質の拡散など過酷事故への対策が新たに盛り込まれている。2013年7月に施行され、再稼働に向けた審査が行われている。

 

スマートメーター

これまで人が行ってきた電力使用料の検針作業を、自動的に検針して電力事業者へ遠隔報告する通信機能を持った新たな電気メーターのことで、スマートグリッド(次世代送電網)の中核を担う機器。検針の効率化だけでなく、電力使用量を常に観測する事で消費電力の管理が容易になるなどのメリットがある。家庭用は2015年から本格導入される予定。

 

 


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