業界研究 半導体・電子部品
世界の「ものづくり」を支える日本のお家芸
業界の特徴
半導体・電子部品業界は、自動車、デジタル家電、パソコン・携帯電話などの情報端末機に内蔵されるメモリやコンデンサといった部品を国内外のメーカーに供給している。半導体、電子部品メーカーは、いずれも供給先である自動車や家電メーカーの業績に左右されやすく、収益変動が激しいことが特徴だ。
半導体業界は技術革新競争が激しく、設備や研究開発に巨額の投資が求められる。かつては自社で設計から生産まで一貫して手がける垂直統合型のビジネスモデルが主流だったが、近年は製造だけを請け負う「ファウンドリ」に製造を委託したり、設計だけを手がける「ファブレス」に専業化したりして、コスト削減を図るメーカーが増えている。
日本の電子部品メーカーは小型・薄型の高付加価値部品に定評があり、世界市場で4割のシェアを誇っている。近年は低価格化が進む汎用品を中心に韓国、台湾、中国メーカーとの競争が激化しているが、高付加価値部品は国内で生産し、汎用品の生産は海外へシフトすることでコスト競争力を高め、海外勢に対抗している。