業界研究 商社
世界をつなぎ、新たなビジネスを生み出す
業界の特徴
貿易や物流において原料・加工品の売買を仲介(トレーディング)するのが商社の仕事。食料品から宇宙開発まで幅広い商品やサービスを扱う「総合商社」と、鉄鋼、産業機械、医薬品、電子部品、紙など特定分野の卸売業を主とする「専門商社」に分かれる。専門商社は欧米にも存在するが、総合商社は日本独自の業態とされる。
商社は長らくトレーディングで得る手数料を収益の柱としてきたが、国内メーカーの海外進出などにより、1980年~90年代頃から商社を介さない企業間の直接取引が増加。特に総合商社は事業構造の大幅な変革を迫られ、現在は資源、インフラなどの開発・生産プロジェクトへの参画や、メーカーや小売りなどへの投資を柱とする事業投資型の収益モデルへとシフトしている。一方、専門商社でも新規事業への進出は活発に行われており、近年は専門知識やノウハウを活かした商品の企画・製造、マーケティングまで手掛ける企業も珍しくない。多くは総合商社や大手メーカーの子会社、関連会社で、総合商社に比べて規模は小さい傾向にあるが、売上高1兆円超の大手も存在する。