業界研究 教育
「学ぶ」にまつわるサービスを提供
業界トピックス
●中学受験、個別指導の需要が拡大
公立中高一貫校の相次ぐ開校により、学習塾では中学受験分野が好調。都市部だけでなく地方でも中学入試の受験者数が伸びており、小学生の通塾率は増加傾向にある。教師1人が生徒1~2人を対象にきめ細かな指導を行う個別指導教室も好調が続いており、集団指導を中心とする学習塾が個別指導を手がけるケースも増えている。
●今後の成長・発展に向けた学習塾の取り組み
生徒獲得競争が激化する中、学習塾・予備校各社はM&A(合併・買収)や業務提携を活発化させ、将来の生徒囲い込みを狙った学童保育サービスへの参入や低年齢層向け教育への事業拡大、小学校での英語必修化で需要が見込める幼児・子ども向け英語教育事業の強化など、さまざまな取り組みを進めている。また、頭打ちの国内から海外へと目を向け、先行する公文やベネッセの後を追い、経済成長が著しい中国などのアジア市場へ乗り出す企業も増えている。文化の異なる現地のニーズに合ったサービスを開発しなければならないという難しさはあるものの、今後、規模の拡大が見込めるアジア市場は日本の教育関連企業にとって大きな魅力。各社は、外国の子どもにも受け入れられやすい教材づくりや、企業買収によるノウハウの獲得など、独自の戦略で文化の壁を乗り越えようとしている。
業界キーワード
●脱ゆとり教育
基礎学力の低下が指摘されるゆとり教育を見直し、2008年に改訂された学習指導要領のこと。「脱ゆとり教育」と称される。授業時間・内容の削減を行ってきたこれまでのゆとり教育とは異なり、脱ゆとり教育では授業時間・内容を拡充。小学校では2011年度、中学校では2012年度、高校では2013 年度から完全実施されている。
●幼児教育
幼児期の子ども(満1歳から小学校就学までの未就学児童)を対象とした教育。少子化で生徒の確保が難しくなる中、幼児向けの教育事業に参入する学習塾が増えている。
●オンライン学習サービス
講義映像や教材をインターネット配信するサービス。職場や自宅などで学習でき、低価格で利用できるものが多いことから需要が拡大しており、異業種からの参入も増えている。
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