業界勢力図  通信・インターネット

インターネット ~ パソコンからスマホへ主役の座がシフト

インターネット(総合)業界売上高ランキング&対前期比

1 楽天 4,434億円 大幅増

2 ヤフー 3,429億円 増加

3 ディー・エヌ・エー 2,024億円 大幅増

4 グリー 1,522億円 横ばい

5 ニフティ 793億円 大幅減

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

主要企業の最新動向&トピックス

1位 楽天

ネット通販大手。国内最大の総合通販サイト「楽天市場」の収益を柱に、M&Aによる金融・旅行事業への参入など事業拡大を積極的に推進している。2010年には中国の検索大手との合弁により楽天市場の中国版「楽酷天」をスタートしたほか、米インターネット通販サイトのバイ・ドット・コム、仏ネット通販大手のプライスミニスターを買収。2012年には写真共有SNSの米ピンタレストに出資して楽天市場との連携を開始し、海外ネット通販で日本郵便との連携を始めるなど、海外展開を強化中。同年には買収したカナダの電子書籍会社コボを通じて日本市場向けの電子書籍端末「Kobo Touch」を投入し、コンテンツ配信を開始している。

 

2位 ヤフー

検索、eコマース、動画配信、オークションなど幅広いサービスを手掛ける日本最大の総合ポータルサイト「Yahoo! Japan」を運営するソフトバンクの子会社。国内一のアクセス数を誇り、主に広告とオークションで収益をあげている。2010年にポータル・検索国内2位のグーグルと提携し、検索エンジンと検索連動型広告配信システムを強化。検索連動型広告の牽引で2011年度は最高益を記録するも、スマートフォンでのネット広告の伸長を受け、スマートフォンに特化したサービスの拡充を急いでいる。オフィス用品配達サービスのアスクルやコンビニのローソンと提携を結び、ネット販売を強化中。

 

3位 ディー・エヌ・エー

ソーシャルゲーム最大手。主力は携帯電話向けソーシャルゲーム「モバゲー」で、ヤフーと提携してPC版を展開、国内外でスマホ版の提供も行っている。2011年にはNTTドコモとゲーム配信で業務提携を結んだほか、サーバーエージェントとスマートフォン向けサービスを中心とした合弁会社を設立している。広告とアバター、ソーシャルゲームのアイテム販売が収益源だが、急成長の要因となったソーシャルゲームの仕組みの一つ「コンプガチャ」がユーザーの射幸心をあおるとして問題になり、2012年5月末で廃止した。

 

4位 グリー

ソーシャルゲーム大手。携帯電話向けソーシャルゲーム「GREE」を運営。ゲームを通じたアイテム課金で急成長を遂げたが、2012年のコンプガチャ騒動で同手法を廃止して以来、収益が低下。状況を打開するため、スマートフォン対応や海外展開、新規事業への参入などを推進しているが、苦しい状況が続いている。

 

5位 ニフティ

プロバイダ大手。富士通の子会社。インターネット接続事業のほか、ポータルサイト「@nifty」を中心としたウェブサービス事業、クラウド(インターネット上にデータを保存し、閲覧できるサービス)事業も手がける。ウェブサービス事業ではスマートフォン・タブレット対応を本格化しており、旅行や料理など他業種企業との連携による新たなサービスの提供も行っている

 

ネット関連サービス主要企業には、このほか、NHN Lapan(LINE)、ミクシィ(mixi)、ドワンゴ(ニコニコ動画)、アスクル(オフィス用品通販)、スタートトゥデイ(アパレル専門サイト「ZOZOTOWN」)、ぐるなび(飲食情報サイト)などがあり、これらのネット専業勢に実店舗や別媒体からのシフト組が入り乱れる大混戦となっている。

 

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