業界勢力図 通信・インターネット
通信 ~ スマートフォンが市場を牽引。LTE競争が激化
通信業界売上高ランキング&対前期比
1 NTT 10兆7,007億円 横ばい
2 KDDI 3兆6,622億円 横ばい
3 ソフトバンク 3兆3,783億円 やや増加
4 ケイ・オプティコム 1,689億円 やや増加
5 インターネットイニシアティブ 1,062億円 やや増加
(数字は2012年度の実績。有価証券報告書、決算情報に基づき作成)
主要企業の最新動向&トピックス
●NTT(日本電信電話)
移動通信、固定通信、長距離・国際通信、プロバイダ、情報システムなどを手掛ける。子会社に、携帯電話でシェア5割弱のNTTドコモ、光ファイバーでシェア7割を誇るNTT東日本、NTT西日本などがある。スマートフォンは音声自動応答や通訳電話などのサービスで独自路線を貫いてきたが、ソフトバンク、KDDI(au)のiPhone勢との競争に苦戦し、2013年に新型iPhone 5s/5cで販売に参入した。LTEでは、中国、韓国の現地企業と協力し、3国間での国際ローミング(世界対応)サービスの実現を目指している。グーグル、Twitter、ディー・エヌ・エーなどとの提携や、タワーレコード、NOTTV(スマホ向け放送局)など子会社・関連会社によるサービス拡充にも力を入れている。
●2位 KDDI
移動通信、固定通信、プロバイダなどを展開する総合通信企業。「au」で国内携帯電話シェア3割弱。子会社に沖縄でシェア4割の沖縄セルラー電話、関連会社に高速モバイル通信のUQコミュニケーションズ、CATV最大手のジュピターテレコムなどがある。楽天やグリー、Facebook、Skypeなどネット関連サービス企業への出資や提携にも意欲的。スマートフォンは2011年よりiPhoneを販売。光ファイバーでは、東京電力の光ファイバー事業・TEPCOひかりを買収し、事業を強化。2011年にはスマートフォンと固定回線のセット割引「auスマートバリュー」を開始し、シェアを拡大している。
●3位 ソフトバンク
iPhoneのヒットで躍進した総合通信企業。移動通信のほか、ブロードバンド、固定通信、ポータルサイトの運営を手掛ける。主要子会社にポータル・検索大手のヤフー、PHS専業のウィルコム、ポケットWi-Fiが主力のイー・アクセス(2013年買収)、提携・出資企業に電子決済大手のペイパル、ライブ動画配信のユーストリームなどがある。LTE では、2014年にプラチナLTEへの参入を予定。近年は海外企業への投資にも積極的で、2013年には米国の携帯大手スプリント・ネクステルの買収に成功、携帯電話事業の売上高で世界3位に躍進した。
●4位 ケイ・オプティコム
関西電力の完全子会社として2000年に誕生した通信事業者。関西電力のサービスエリアである近畿を対象に、光ファイバーネットワークの「eo光」、ケーブルテレビの「eo光テレビ」などを展開している。業界最安クラスの低価格プランを武器に急成長を遂げており、NTT西日本の「フレッツ光」と激しいシェア争いを繰り広げている。
●5位 インターネットイニシアティブ
日本で最初にインターネット接続サービスを開始した通信事業者。MVNO(仮想移動体通信業者)として、官公庁や法人を中心にNTTドコモの回線を使ったモバイル通信サービスを提供、低価格を武器に利用者を拡大している。情報システムの構築やWi-Fiなど通信機器の開発・販売も手がけている。
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