業界研究  コンサルティング

課題を解決し、成長を陰で支える「企業のドクター」

業界トピックス

需要拡大の有望分野「BPO」サービス

リーマンショック後の景気低迷を背景に、欧米を中心に普及してきた「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の需要が日本でも拡大している。BPOとは、人事、財務・経理、調達・購買、カスタマーケア(コールセンター)といった企業の内部業務を外部に委託する経営革新手法。企業にとっては、自社で業務を行うよりもコストを低く抑え、経営資源を主力事業に集中させて生産性の向上を図ることができるというメリットがある。2013年の日本のBPO市場規模は前年比4.7%増の8975億円と、3年連続プラス成長となる見込みで、2016年には1兆円を超えると予測されている(IDC Japan調べ)。

 

企業の危機管理対策「BCP」の市場が拡大

東日本大震災を機に企業の危機管理意識が高まり、「BCP(事業継続計画)」と呼ばれるコンサルティングサービスの需要が増加している。BCPとはBusiness Continuity Planの略で、災害や事故など不測の事態が発生した際、人命を保護し、重要業務への被害を最小限に抑え、速やかに事業を継続・復旧させるためにあらかじめ策定しておく行動計画のこと。これまでは危機管理意識の高い金融機関など大企業を中心に導入されてきたが、2011年はBCPを新たに策定・見直す企業が増加し、市場が前年比2倍の220億円に拡大した(富士経済調べ)。首都直下地震や東海地震、東南海・南海地震の発生リスクが報じられたこともあって、企業の危機管理対策への意識は持続しており、今後も首都圏、中部・関西地域を中心に市場の拡大が予想されている。各社は、分散型電源へのシフト、通信手段の多重化、サプライチェーン(供給網)維持対策など、東日本大震災の教訓を踏まえたコンサルティングを強化している。

 

業界キーワード

国際会計基準(IFRS)

国際財務報告基準の旧称で、世界共通の会計基準。日本では旧称の「国際会計基準」が使用されることが多い。国際会計基準を自国の会計基準として適用している国、適用開始を予定している国は120ヵ国にも及ぶ。現在、日本は導入への準備期間にあり、2010年3月期より一部の企業が任意適用を開始している。金融庁により、早ければ2015年~2016年にもすべての上場企業に強制適用する方針が示されていたが、東日本大震災で打撃を受けた産業界への配慮から、2017年以降に先送りされることになった。

 

 

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