業界研究 コンサルティング
課題を解決し、成長を陰で支える「企業のドクター」
業界の特徴
顧客である企業の経営・財務戦略、会計、人事、業務・組織変革、IT(情報システム)導入といった業務上の課題を解決するために、具体的で実効力のある施策を提案するのがコンサルティング会社の仕事。コンサルティングは米国で生まれ、それが日本に導入されて発展してきたという経緯から、国内では米国を中心とした外資系コンサルティングファームの勢力が強い。
近年、コンサルティング会社の業務内容は多様化・複雑化が進み、大手で業務改善からIT導入までの全領域を一手に扱うスタイルが主流となる一方、医療やM&A(企業の合併・買収)など特定の業界・業務に特化した新興勢力も誕生している。各社の手がける領域を明確に分類することは難しいが、主なものとして、以下の7つがあげられる。
●戦略系……全社戦略、グループ経営、M&A、提携など大手企業の高度な経営課題を支援。
●総合系……戦略からITまで幅広い分野を扱う。会計監査業務から派生した会社が多いため「会計事務所系」とも称される。
●IT系……ITの導入や活用による経営課題全般をサポート。
●人事系……組織改革、人事制度構築、人材育成など人事分野に特化したサービスを提供。
●シンクタンク系……金融系のグループ企業が母体。戦略からITまで幅広い分野を手がける。
●専門系……特定の業種・業務に関する専門性の高いサービスを提供。
●国内独立系……国内の中小企業を対象に会計、人事、マーケティング、組織改革など幅広い分野を扱う。
業界の動向
2008年に始まった世界的な不況の影響で、顧客である企業の経費削減志向が強まり、コンサルティング市場は2009年、2010年と2年連続で縮小。改正金融商品取引法で上場企業にITを使った情報管理体制の構築と内部統制報告書の提出が義務付けられたことから一時は活況を呈していたIT系市場も、企業のシステム投資縮小に伴い新規受注が低迷した。
しかし、企業の業績回復にしたがって、2011年以降、市場は上向きに転じており、今後も拡大が見込まれている。特に、日本企業の海外進出に必要な体制構築、現地企業のM&Aや生産・販売拠点の設置といったグローバル化対応への需要が高まっており、コンサルティング各社はサービスを強化している。
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