業界勢力図  医薬品・化粧品・トイレタリー

医薬品 〜 主力薬の特許切れを受け、各社とも買収や事業領域の拡大を推進

医薬品業界売上高ランキング&対前期比

1 武田薬品工業 1兆5.572億円 横ばい

2 アステラス製薬 1兆0.056億円 横ばい

3 第一三共 9,978億円 やや増加

4   大塚HD 8.508億円 やや増加

5   エーザイ 6,479億円 減少

※大塚HDは医薬関連事業の売上高。

(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)

 

主要企業の最新動向&トピックス

1位 武田薬品工業

医療用医薬品の国際戦略4製品(糖尿病治療剤「アクトス」、高血圧治療剤「ブロプレス」、消化性潰瘍治療剤「タケプロン」、ホルモン療法剤「リュープリン」)を柱に成長。近年はグローバル化を推進しており、2008年にがん領域に強い米国のバイオ医薬品会社ミレニアム・ファーマシューティカルズ、2011年に欧州と新興国に強力な事業基盤を持つスイスの製薬大手ナイコメッド、2012年に痛風領域に強みを持つ米国のURLファーマを買収。米国や日本で主力薬の特許切れが相次ぐ中、自社品や買収した企業からの導入品(他社が開発した新薬の権利を買い取り、自社や他社との共同で治験を行う医薬品)で開発品を強化し、新製品の投入を多数計画しているほか、海外での売上も拡大している。

 

2位 アステラス製薬

2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して誕生。海外企業からの導入品の比率が高い。泌尿器・移植分野に強いが、近年は免疫抑制剤「プログラフ」、前立腺肥大症治療薬「ハルナール」など主力薬の特許が相次いで失効。抗がん剤を第3の柱と定め、2010年にがん領域に強い米国のバイオ医薬品会社OSIファーマシューティカルズを買収、2013年には同国のバイオ医薬品大手アムジェンと開発・販売で提携を結ぶなど、事業の育成を推進している。

 

3位 第一三共

三共と第一製薬の経営統合により2007年に設立。高血圧、血栓症、糖尿病などを含む循環代謝領域に強みを持つが、主力の高血圧症治療薬「オルメサルタン」の特許が2016年以降、米国、日本、欧州で切れることを踏まえ、抗がん剤の開発に力を入れている。一方で、2010年より毎年新薬を投入しており、アルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」、抗潰瘍剤「ネキシウム」などが大きく売上を伸ばしている。また、2008年にはインドの後発薬世界大手ランバクシー・ラボラトリーズを買収。ジェネリック医薬品市場へ進出を果たし、今後もシェア拡大が見込まれている。

 

4位 大塚ホールディングス

大塚製薬との相互株式移転により2008年に新会社として発足し、2010年度に株式上場。抗精神病薬が主力で、ポカリスエットなどの機能性食品も展開している。2011年、うつ病や不安障害など中枢神経領域に実績のあるデンマークの医薬品大手ルンドベックと提携を結び、抗精神病薬の共同開発や商業化を推進。これにより、米国での特許切れが2015年に迫る主力の抗精神病剤「エビリファイ」の後継薬の開発や、海外での市場拡大を図っている。

 

5位 エーザイ

神経系、消化器系に強く、抗認知症薬、抗潰瘍薬のグローバル展開で大手製薬に成長。2010年以降、主力のアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」と消化性潰瘍治療薬「パリエット」の特許切れを米国と日本で相次いで迎えている。業績悪化を予測し、2007年に米国のバイオ医薬品会社MGIファーマを買収して成長分野であるがん領域へのシフトを進めているが、特許切れの影響を拭いきれず、苦戦が続いている。

 

このほか、田辺三菱製薬、中外製薬、大日本住友製薬、大正製薬ホールディングス、塩野義製薬などがある。

 

▶次ページでは化粧品業界を紹介。業界全体の動向については業界研究をチェック!

 


  • 前のページに戻る

会員の方はこちら

教師番号(※教師番号がない方はメールアドレス)
パスワード

ログイン

  • 新規会員登録はこちら
  • 採用お祝いポイントプレゼント!
  • 掲載希望の企業様へ 是非徒も貴社の広告宣伝、求人活動にご活用ください。