業界研究  広告

多様な手法を駆使して商品・サービスを世に広める

業界の特徴

企業、官公庁、団体といった広告主の業績向上・イメージアップを目的に、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ポスター、インターネットなど各媒体(メディア)の特性に合わせた広告を企画・制作する広告業界。広告代理店の収益源は広告の企画・制作料と、メディアが広告主より受け取った広告料金から決められた割合で支払われる取引手数料で、現在は売上の約半分をテレビから得ている。しかし、広告の依頼はオリンピックやサッカーワールドカップ、万博などの国際的な大型イベントの開催や世の中の好不況に左右されやすい。また、近年は広告費に占めるマスコミ4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)の構成比が年々低下を続け、インターネットがテレビに次ぐ第2の広告媒体へと成長。従来型のビジネスモデルは転換期に差し掛かっている。

 

業界の動向

日本の広告費は、世界同時不況に陥った2008年から減少傾向にあり、2011年の東日本大震災後に起きた企業の広告自粛ムードも落ち込みに拍車をかけた。しかし、その反動で同年後半以降は広告需要が増加し、2012年の総広告費は前年比3.2%増の5兆8913億円(電通調べ)と、5年ぶりに前年を上回った。マスコミ4媒体広告は依然として頭打ちの状態が続いているが、インターネット広告は着実に成長を遂げている。

 

こうした状況を受け、広告各社はインターネット広告に注力。特に、SNSを利用した販売促進やスマートフォン向け広告は期待の分野で、インターネットと他の媒体を組み合わせたクロスメディア広告(業界キーワード参照)による付加価値の高い広告の提供を目指している。また、顧客企業の商品・サービスの販売戦略、販促活動の企画・運営まで手掛けるマーケティング・プロモーションにも力を入れ、広告以外の分野で収益拡大を図る動きも目立つ。
一方で、国内ではこれ以上の成長が見込めないことから、大手各社はアジアの新興国を中心に海外での市場開拓や事業拡大を本格化している。

 

▶主要企業の業績や最新動向については業界勢力図をチェック!

 

 

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