知っていれば安心! 内定辞退への正しい対応
就活も終盤を迎えると、内定を複数獲得する人も増えてくる。そうなると、考えねばならないのは、内定辞退。もちろん、自分自身の中にしっかりと優先順位をもって、誠意を込めて、速やかに対応すれば、大きな問題になることはないのだが、最悪の事態では、損害賠償になるケースも……。そんなことになる前に、転ばぬ先の杖。内定辞退についての知識や対応の仕方をあらかじめ学んでおこう。
内定辞退を明確に定義すると……
そもそも内定辞退とはどういう状況を言うのだろう。就活生からすると、単純に「エントリーし、面接などを経て、内定をもらった企業にお断りを入れる」ということなのだが、多くの辞書の記載を調べ、要約してみると「求職者(就活生)が労働契約申込[エントリー、面接などの選考]を行い、採用企業が内定通知[内定連絡]を行って、求職者が内定を承諾した後[誓約書あるいは内定承諾書提出]、求職者がそれを辞退すること」ということになる。([]は加筆)
上記の記述で重要なことは、就職は「契約」であるということ。契約であるということは、法律に基づいての約束事である、ということになる。つまり、そこには権利と義務、破った場合の罰則が存在し、それが法律や裁判の判例で規定されているのだ。その点に注意したい。
内定辞退には3つのパターンがある
内定辞退には、実は以下の3つのパターンがある。
A 内定承諾書(誓約書)を出す前の辞退
B 内定承諾書(誓約書)提出後、内定式以前の内々定辞退(10月1日以前)
C 内定式以降の内定辞退(10月1日以降)
A、B、Cそれぞれ、企業にとってはダメージが異なる。Aの内定承諾書(誓約書)を出す前に辞退するのは、就活生が内定を承諾していない、労働契約成立以前のことなので、大きな問題とはならない。企業はだいたいこういう辞退を見越して採用活動を行っている。また、Bについても、まだ採用の門戸は開いている時期なので、企業としてダメージはあるが、さらに採用を行うことによってリカバーが可能。これもある程度は織り込み済みだ。
問題はCである。時期的に基本的な新卒採用は締め切った後なので、優秀な人材を獲得するのが困難となり、ダメージが発生する。さらに、内定した学生の入社に向けての準備が進んでいる可能性も大きく、備品や研修など具体的な作業に入っている場合は、明らかに企業に損出が生じる。後述するが、これを「悪質だ」と企業が判断した場合、損害賠償を請求される可能性もある。
A、Bのパターンはまだ大きな問題とはならないだろうが、Cは避けるように細心の注意を図ろう。