業界研究  介護・福祉

多様な介護サービスで高齢化社会を支える

業界の動向

団塊世代の高齢化により、75歳以上の後期高齢者人口は2025年に2100万人を超えると推計されている(厚生労働省調べ)。これは2012年(約1500万人)のおよそ3割増しの数字で、介護・福祉サービスの需要拡大は必至だ。しかし、後期高齢者人口の増加とともに介護保険費用も現在の倍以上に膨らむ見込みで、それをまかなう財源の確保が問題となっている。

 

介護保険サービスの費用(介護報酬)は、1割を利用者が負担し、残りの9 割を介護保険が負担している。その介護保険をまかなう財源は、国民が支払う介護保険料と国や地方の公費(税金)。財源の確保には国民の負担増となる介護保険料の引き上げと、公費の確保をどこまで実現できるかが最大の焦点となっている。国は消費税率引き上げなど、「社会保障と税の一体改革」による財源の確保を進めている。

 

また、介護・福祉サービスを担う人材の確保も大きな課題。介護業界の平均賃金は一般産業と比べて低い傾向にあり、介護職員の人手不足は深刻化している。2009年の介護報酬引き上げと介護職員処遇改善交付金(2012年3月末まで介護報酬とは別に交付された助成金)の支給開始は職場環境や介護職員の処遇改善につながり、人材不足解消への後押しとなった。今後も安定して介護職員を確保するためには介護報酬の引き上げが必要だが、介護保険料の上昇にも直結するため、その折り合いをどうつけるかが課題となっている。

 

注目された2012年の介護報酬改定は、数字上はプラスとなったが、介護職員処遇改善交付金として補助されていた分が介護報酬に移行されているため、実質的にはマイナス改定となった。施設サービスへの報酬が減額となる一方、国が推進する在宅サービスへは重点配分されていることから、大手を中心に在宅介護事業の強化が進められている。

 

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