業界勢力図 鉄鋼・非鉄金属
非鉄金属 〜 各社とも事業の多角化を推進。銅の製錬は収益改善へ
非鉄金属業界売上高ランキング&対前期比
1 三菱マテリアル 1兆2,872億円 減少
2 JX日鉱日石金属 9,275億円 やや減少
3 住友金属鉱山 8.085億円 横ばい
4 DOWAホールディングス 4,193億円 やや増加
5 三井金属 4,172億円 横ばい
(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)
主要企業の最新動向&トピックス
●1位 三菱マテリアル
銅、セメント、金属加工、電子材料の4事業を柱に、多角的に事業を展開。銅事業では、チリ、インドネシア、カナダの投資先鉱山からの原料調達から、製錬、加工、リサイクルに至る一貫体制を構築している。金属加工は自動車部材の切削工具である超硬工具が主力で、中国など新興国向けの製品を開拓中。資源の回収、環境・リサイクル技術の開発、リサイクル装置やプラントの設計・施工などリサイクル事業にも積極的に取り組んでおり、レアアース(レアメタルの一部)の再資源化も手がけている。
●2位 JX日鉱日石金属
2010年7月、新日鉱ホールディングスに吸収合併され、事業会社として発足。その際、日鉱金属から現社名に変更した。金属製錬、資源開発、電子材料、リサイクルなどの事業を展開。国内1位の生産能力を誇る銅製錬事業は、旧日鉱金属と三井金属の統合により設立されたパンパシフィック・カッパーで鉱山開発(チリ、アルゼンチン)から原料調達、生産、販売までを一貫して行っている。
●3位 住友金属鉱山
住友グループの非鉄金属企業。鉱山開発、製錬、機能性材料、電子材料などの事業を展開。海外鉱山の開発に積極的で、菱刈鉱山(鹿児島県にある日本最大の金鉱山)、ポゴ金鉱山(米国)などを保有し、資源保有量は日系企業の中でもトップクラス。国内企業では唯一電気ニッケルを提供しており、銅地金の生産ではパンパシフィック・カッパーに次ぐ国内2位を誇る。日立電線との事業統合により、2013年にリードフレーム・伸銅事業の統合会社を発足。
●4位 DOWAホールディングス
銅・亜鉛・レアメタルなどの製錬を中心に、環境・リサイクル、電子材料、金属加工、熱処理など幅広い事業を手がける。カナダ、メキシコに鉱山を保有。レアメタルを含む金属のリサイクル事業に注力しており、日本・中国・シンガポールの3拠点を軸に、アジアでの事業拡大を図っている。
●5位 三井金属
銅、亜鉛製錬から各種電子材料まで多角的に事業を展開。ペルーで銅・亜鉛の2鉱山、チリで銅鉱山を操業しており、銅製錬はパンパシフィック・カッパー、亜鉛は住友金属鉱山との亜鉛事業統合会社エム・エスジンクが手がける。近年は中国やインドなど新興国で需要が拡大している自動車用触媒、パソコンや携帯電話など電子製品の半導体の基板に使用される銅箔に注力している。
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