業界研究  建設・住宅・不動産

地図や記憶に残る「大きな仕事」を手がける

業界の動向

建設業界

国や地方の財政悪化により、近年は収益の柱としてきた公共事業が減少。景気低迷による民間の設備投資の冷え込みもあり、国内市場は縮小が続いている。そこに発生した東日本大震災で業界はさらなる苦境に陥ったが、道路や港湾の応急復旧、がれき処理などの震災復興需要により、2011年度以降、市場は上向きに転じている。東日本大震災の復興関連事業の本格化や、笹子トンネル天井板崩落事故を機に注目が集まったインフラ構造物の老朽化対策により、2013年度も需要増が見込まれている。

 

しかし、需要や売り上げが伸びている一方で、コスト高による採算悪化が深刻化している。工事量の増加で全国的に現場作業員が不足したことから、特に被災地域で人員確保のために追加の費用が生じ、労務費が高騰。もともと低い利益率で受注した案件が多い上に、鋼材などの価格高騰も響いて工事の採算が悪化し、ゼネコン各社の収益を圧迫している。

 

顧客企業が海外に生産拠点を移管していることや、アジアでインフラ整備の需要が増大していることもあり、近年、大手各社は海外での受注獲得に注力してきた。復興関連事業やインフラ整備需要もいずれは終息し、その後は再び厳しい環境に置かれると予測されることから、各社は引き続き海外展開の強化を進めている。

 

住宅業界

100万戸を超えたリーマンショック前の水準には届かないが、2012年度の新設住宅着工戸数は前年度比6.2%増の89万3002戸と、3年連続で前年度実績を上回った(国土交通省調べ)。しかし、2013年度後半には、早くも消費税率引き上げや住宅ローン金利の上昇を懸念した駆け込み需要の反動が出て、受注にブレーキがかかりつつある。今後は一層の市場縮小も懸念されることから、各社は新商品の投入や展示場の刷新など需要喚起対策を開始。近年、活発化しているアジアなどへの海外進出も大手を中心に本格化している。

 

不動産業界

大胆な金融緩和を行った安倍政権の経済政策「アベノミクス」効果で、不動産市場は活性化している。賃料収入や物件の値上がりを見込んで投資家の取得意欲が高まっていることや、景気回復への期待で企業が事業用地の確保に動き出していることなどから、商業用の不動産取引が急増。デベロッパーの主な収益源である賃貸オフィスは、都心の再開発で2012年にオフィスが大量供給されたことから空室率が高まり、各社苦戦を強いられていたが、それも回復に向かっている。また、近年はネット通販の拡大により大都市近郊で大型物流施設の需要が高まっており、大手各社が開発を強化している。

 

マンション販売は、アベノミクスや東京五輪開催決定効果により、首都圏を中心に需要が拡大。消費税率引き上げや住宅ローン金利の上昇を懸念した駆け込み需要も需要を下支えしたと考えられるが、2013年10月時点では、駆け込みが途絶えた後の大きな反動減は現れていない。

 

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