業界勢力図 家電・電機・精密機器
精密機器 〜 デジカメは一眼レフ、事務機器は関連サービスに活路
精密機器業界売上高ランキング&対前期比
1 キヤノン 3兆4,797億円 横ばい
2 富士フイルムHD 2兆2,146億円 横ばい
3 リコー 1兆9,244億円 横ばい
4 ニコン 1兆0,104億円 やや増加
5 セイコーエプソン 8,512億円 横ばい
(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)
主要企業の最新動向&トピックス
●1位 キヤノン
日本を代表する精密機器メーカー。コンパクトカメラ・一眼レフカメラ出荷台数世界1位。複写機やプリンタでも高シェア。半導体製造装置、医療機器なども手がける。2010年にオランダの業務用プリンタメーカー、オセを連結子会社化し、高速モノクロ大量印刷機を拡充。2015年までにアメリカと欧州にそれぞれ研究開発部門の統括会社の設立を計画しており、欧州ではオセを軸に高速印刷技術やソフトウエア技術の開発を強化、事務機関連の重要拠点とする予定。2012年9月、「EOS M」でこれまで見送ってきたミラーレス一眼カメラ市場に参入した。
●2位 富士フイルムホールディングス
2006年に持株会社に移行し、現社名へ変更。デジタルカメラのほか、液晶用フィルム、化粧品、医療機器など幅広い事業を手がける。子会社に複写機世界最大手の富士ゼロックスがあり、国内やアジアでオフィス向け複合機、業務用印刷機を展開。2012年には、同社がオーストラリアのビジネスサービスプロバイダー・サルマット社のBPO事業を買収している。デジタルカメラ事業では、2009年より低価格の「100ドルカメラ」で新興国でのシェアを広げてきたが、2011年3月に高価格のコンパクトデジカメ「FinePix X 100」を投入し、高級機種路線へと転換を図っている。2012年2月、「FUJIFILM X-Pro 1」でミラーレス一眼に参入。
●3位 リコー
デジタル複合機・プリンタなどオフィス用事務機器大手。2007年に米IBMのデジタル印刷機事業を、2008年にアメリカの事務機器販売大手アイコンを買収し、海外販売網を拡大。2011年には日本マイクロソフトと提携し、自社の販売・サポート体制と組み合わせたクラウドサービス事業を開始している。カメラ事業を事務機に次ぐコア事業へと育成するため、2011年にペンタックスのカメラ事業を買収。同社の一眼レフの技術と販路を取り込むことにより、新興国を中心にカメラ事業の拡大を狙っている。
●4位 ニコン
デジタルカメラと半導体・液晶製造装置を主力とする光学機器メーカー。コンパクトカメラ・一眼レフカメラ世界2位、ミラーレス一眼世界3位。半導体製造用露光装置でも世界トップクラスのシェアを誇る。一眼レフ生産の9割をタイ工場で手がけており、2011年は洪水で生産が遅れ大きな打撃を受けたものの、急回復を果たす。同年10月に「Nikon 1 J1」「Nikon 1 V1」の2機種でミラーレス一眼に参入。
●5位 セイコーエプソン
インクジェットプリンタで世界高シェアを誇る精密機器メーカー。プリンタのほか、プロジェクタ、デジタルカメラ、半導体、産業用ロボット、健康機器など幅広く事業を展開。2016年度からの成長戦略では、現在主力とする一般消費者向けの画像・映像出力機器からプロフェッショナル向けの製品・サービスへと事業の範囲を広げ、競争力の強化を図るとしている。
このほか、オリンパス(ミラーレス一眼世界2位)、ソニー(ミラーレス一眼世界1位)、パナソニック(ミラーレス一眼のパイオニア)、コニカミノルタHD(複写機世界大手)、ブラザー工業(プリンタ、ファクスが主力)などがある。
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