業界研究 旅行・ホテル
人々の好奇心を満たし、癒しを与える「おもてなし」産業
業界トピックス
●シニア・シルバー世代向けの旅行商品投入が活発化
高齢化の進行や2012年に開始された団塊世代の年金満額受給により、シニア・シルバー世代による旅行需要の伸びが期待されている。旅行各社は定年退職後のセカンドライフを意識し、趣味を楽しむツアーや、ゆったりと過ごす長期滞在型の旅行商品、サービス介助士が同行する旅行プランなどを相次いで投入。豪華客船による周遊旅行や大型船での世界一周などのクルーズ旅行といった高価格帯商品の人気も高まっている。また、シルバー世代の旅行需要を喚起するために、観光庁が中心となり、高齢者や要介護者も気軽に国内旅行を楽しめる環境の整備に向けた「ユニバーサルツーリズム」の普及・促進に取り組んでいる。
●外資系ホテルの開業やリブランドで高級ホテルの顧客獲得競争が激化
東京では、2012年に皇居前に立つ老舗のパレスホテルが建て替えオープンしたほか、東京駅丸の内駅舎の復元工事で一時休館していた東京ステーションホテルが全施設を改装して開業した。2013年には品川の御殿山ガーデン ホテルラフォーレ東京が東京マリオットホテルとして新装開業、汐留のロイヤルパーク汐留タワーがロイヤルパークホテル ザ 汐留として改装オープンするなど、リブランドの動きも活発化。2014年完成予定の虎ノ門ヒルズにはハイアット系のアンダーズ東京が日本初進出を予定するなど、新たな顧客獲得競争が始まっている。一方、関西でも外資系高級ホテルの進出が相次いでおり、2013年にはJR大阪駅北側の複合ビル群「グランフロント大阪」にインターコンチネンタルホテル大阪が開業。2014年には阿倍野に建設中の超高層複合ビル「あべのハルカス」に大阪マリオット都ホテルがオープンする。京都では、ザ・リッツ・カールトンが2014年春の開業を予定。フォーシーズンズホテルも2015年の開業を予定しており、地元ホテル勢との攻防が激しくなる見通しだ。