業界研究  運輸

速く・便利に・快適に人やモノを運ぶ

業界の動向(空運・鉄道)

空運業界

羽田空港の滑走路増設による国際線の就航開始、オープンスカイ(航空の完全自由化)協定締結による日米間の便数・運賃の自由化と、2010年は好材料が続いたが、2011年は東日本大震災の影響で一時は国内線・国際線とも旅客者が激減するという事態に見舞われた。しかし、その後急速に回復を遂げ、2012年3月期決算ではANAホールディングス(2013年に全日本空輸から社名変更)、日本航空(JAL。2011年3月に会社更生法適用を終結)共に過去最高益を達成。JAL は同年9月に株式再上場を果たし、ANAは続く2013年3月期に過去最高益を更新した。2014年3月期は円安の進行による燃料費の負担増が懸念されることから、両社は収益の確保に努めている。

 

格安航空会社(LCC)やエミレーツ航空など中東勢との競争が激化する中、2011年にANAとJALが共にLCCに参入。両社のライバル関係はさらに激しさを増している。

 

鉄道業界

少子高齢化や景気後退によるビジネス・レジャー客の減少、高速道路料金休日割引などの影響で、鉄道業界では近年、輸送人員の低迷が続いている。そうした中、2011年度は東日本大震災の影響で輸送人員が激減し、百貨店やホテル、レジャーといった非鉄道事業も大きな打撃を受けた。しかし、その後は徐々に出控えが解消され、新たな商業施設の開業も追い風となり、2012年度は輸送人員が回復している。

 

JR・私鉄各社は引き続き不動産や流通など非鉄道事業の拡大による多角化路線を推進しているが、JR各社は新幹線やリニアなどの鉄道技術を海外に輸出する新たな鉄道事業にも乗り出している。一方の私鉄各社は、ターミナル駅周辺の再開発のほか、託児所や介護老人ホーム、高齢化向けサービスなどの拡充を図り、沿線地域の魅力向上に努めている。

 

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