業界研究 テレビ・ラジオ
社会に大きな位置を占める放送メディア
業界トピックス
●「メディアミックス」「クロスメディア戦略」が活発化
広告収入の伸び悩みを受け、テレビ各局は過去に放送した番組のネット配信(ビデオオンデマンド)や、番組の映画化、DVD化といった自社コンテンツの二次利用をはじめ、大手動画サイトとの連携、スマートフォン向け放送局の開局、番組内で紹介した商品の通信販売、テレビCMにおけるウェブサイトへの誘導など、インターネットを中心としたメディアミックスやクロスメディア戦略を進めている。最近では、Twitterの書き込みを番組内で紹介したり、データ放送の機能を活用したアンケートを実施したりして視聴者との双方向コミュニケーションによる新しい視聴スタイルを提案し、視聴率アップを目指す番組も増えている。
●拡大するサイマルラジオプロジェクト
ネット配信の動きはラジオでも活発化している。地域放送のコミュニティFM局が、地上波ラジオ放送をインターネットで同時配信する「サイマルラジオ」のウェブサイトを2008年に開設。2012年には参加局が100局を超えるまでに成長している。他方では、2010年に在京・在阪の民間放送局と電通の計14社が中心となり、「IPサイマルラジオ“radiko”」の運用を開始。以来、放送局を順調に増やし、2013年4月時点で全国の民放ラジオ67局と放送大学が各営業エリアに合わせた配信を行っている。2011年にはTwitterやFacebookなどSNSとの連携をスタートし、ユーザー拡大とラジオの媒体価値の向上を目指している。