業界研究 半導体・電子部品
世界の「ものづくり」を支える日本のお家芸
業界の動向
●半導体業界
欧州の債務危機や中国経済の成長鈍化などの影響で、2012年の半導体市場は落ち込みを見せた。しかし、パソコンやテレビ向けの需要が低迷する一方で、スマートフォンやタブレット端末向けの需要が拡大しており、2013年は回復基調にある。
こうした中、世界市場では、米インテル、韓国サムスン電子など海外の大手メーカーと、ファウンドリ、ファブレス大手が圧倒的なシェアを誇っている。かつて「日の丸半導体」と呼ばれ、世界市場に君臨した日本メーカーは競争力を失い、2012年にはDRAM(半導体記憶素子の一種)世界3位だったエルピーダメモリが倒産、翌年、米半導体大手マイクロン・テクノロジーの傘下に入った。半導体専業大手のルネサスエレクトロニクスも業績の悪化により官製ファンド傘下で経営再建を目指すなど、業界内では事業再編が活発化している。
●電子部品業界
2012年度は自動車メーカーの増産により、自動車向け電子部品の需要が回復。スマートフォンやタブレット端末向けの需要も拡大が続いていおり、各社の業績を押し上げている。とはいえ、近年は低価格を売りにする韓国、台湾、中国メーカーが勢いを増しており、技術力で勝る日本勢もうかうかとしてはいられない。各社は急拡大するスマートフォンやタブレット端末向けの超小型部品に注力すると共に、電気自動車(EV)や医療機器、スマートコミュニティなど今後成長が見込める分野への取り組みを強化。M&A(合併・買収)によって事業の拡大や技術力の増強を図る企業も増えている。
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