業界勢力図 ソフトウェア・情報処理
情報処理 ~ 各社ともクラウドとビッグデータに注力。海外進出も活発化
情報処理(SIer)業界売上高ランキング&対前期比
1 富士通 2兆9,423億円 横ばい
2 日立製作所 1兆7,865億円 横ばい
3 NTTデータ 1兆3,019億円 横ばい
4 NEC 1兆2,458億円 横ばい
5 日本IBM 8,499億円 横ばい
※富士通、NECはITソリューション事業、日立製作所は情報・通信システム事業の売上高
(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)
主要企業の最新動向&トピックス
●1位 富士通
システムやソフトの開発・設計から保守運用サービスまでをワンストップで展開。官公庁や大手金融期間向けのシステム開発に強い。傘下のSIer(システムインテグレーター)に富士通エフサス、富士通ビー・エス・シーがある。アメリカのコンピュータ大手、サン・マイクロシステムズと提携関係にあり、共同でサーバの開発・製造を行っている。2012年にビッグデータを活用する新たなクラウド基盤を発売。2013年にはビッグデータの専任組織を設立し、複数の関連サービスを体系化して販売する体制を整えている。米マイクロソフトとの協業でクラウド事業のグローバル展開の強化も測っており、欧米、オーストラリア、アジアでクラウド事業の展開を推進している。
●2位 日立製作所
官公庁や金融機関、社会インフラ向けシステムに強い。傘下のSIerに日立ソリューションズ、日立システムズがある。クラウド事業を推進しており、2011年に中堅・大企業向けのSaaS型情報共有基盤サービスの提供を開始。2012年に日本マイクロソフトと提携し、クラウド事業のグローバル展開を加速させている。2013年にはビッグデータの専任組織を発足して同事業の体制強化を図り、社会インフラ企業などへのサービス提供を開始。国内外でのビッグデータ関連売上高の拡大を目指している。
●3位 NTTデータ
NTTグループ傘下のSI専業最大手。官公庁や金融機関などの大規模な情報システムを数多く構築。2010年よりクラウドサービスの本格展開を開始し、2013年にはビッグデータに関する専任組織を立ち上げている。近年は欧米、アジア、オーストラリアなどで立て続けに現地IT企業の買収を行い、企業向け事業の強化と海外展開を加速。2013年にはスペインのエヴェリスグループを買収し、中南米での事業強化を図っている。
●4位 NEC
官公庁や通信事業者向けのシステム開発に強く、ネットワーク製品、ソフトウェアも手掛ける。傘下のSIerにNECネッツエスアイ、NECフィールディングがある。近年はクラウドによるコンピュータプラットフォームの提供、次世代ネットワーク(NGN)やスマートグリッド、社会インフラの構築に注力。2012年には米マイクロソフトとクラウド事業で提携し、共同開発・販売を開始するなど、クラウド事業の強化・グローバル化を進めている。ビッグデータ事業では2009年に専任の社内組織を設け、処理基盤技術の開発を行っている。
●5位 日本IBM
情報システムの世界大手・米IBMの日本法人。ソフトウェア・ハードウェアの提供からシステム開発、コンサルティングに至るまで、総合的な情報関連サービスを提供。2010年より社長直轄型のクラウド専任組織を設置してクラウド事業を推進しており、企業向けIaaS(業界研究・業界キーワード「SaaS」参照)型クラウドサービスの新商品を次々と投入している。ビッグデータ事業ではデータ処理の基盤システムを展開。ビッグデータを社会インフラの効率化に活用するためのシステム開発も行っている。2012年には専任組織を起ち上げ、顧客企業のビッグデータ活用を支援する体制を強化している。
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