業界勢力図 コンサルティング
コンサルティング ~ 日系企業のグローバル化で需要が拡大
コンサルティング業界主要企業&最新動向(IT系・人事系・シンクタンク系)
●IT系
ウルシステムズ(日本の戦略的ITコンサル。流通、製造、情報サービス分野に強み)
スカイライトコンサルティング(アクセンチュア出身者による日系コンサル。ベンチャー企業向けの成功報酬型サービスも)
フューチャーアーキテクト(国内最大級のITコンサル。製造、流通・サービス分野に強い)
ケンブリッジテクノロジーパートナーズ(日本ユニシス傘下のITコンサル。独自の手法によるIT導入、業務改革に実績)
ガートナージャパン(米国に本拠を置くITアドバイザリー企業の日本法人。ITリサーチ、戦略分析に定評)
IT系コンサルティングファームは、ITに関わる経営課題の解決を幅広く手がける。IT戦略の立案、各種経営手法の導入、システム構築、情報セキュリティ、アウトソーシングなどさまざまなサービスを提供することで、SIer(システムインテグレーター)との差別化を図っている。近年はソフトウェアメーカーやSIerとの協業や提携により、IT関連の新規分野へ参入する動きも見られる。
●人事系
マーサー ジャパン(米国を本拠とする世界最大の組織人事系コンサル。近年は戦略部門を強化中)
ヘイコンサルティング グループ(米国に本社を置く組織人事系コンサル。独自の人事評価システムに定評)
タワーズワトソン(英国発祥の組織人事系コンサル。2010年にタワーズペリンとワトソンワイアットが合併し現社名に)
エーオンヒューイットジャパン(2010年にエーオン コンサルティング ジャパンとヒューイット・アソシエイツが統合して発足)
リンクアンドモチベーション(モチベーションにフォーカスした独自技術で知られる日系ファーム)
人事分野に特化したサービスを提供する人事系コンサルティングファームは、人事戦略や制度設計を手がける「組織人事系」と、組織風土改革や人材開発などを扱う「チェンジマネジメント系」に大別される。しかし、近年では外資の組織人事系ファームがチェンジマネジメント系業務へと領域を拡大・強化しており、各社の棲み分けは曖昧になりつつある。全体としては、日系企業の海外進出にともない、現地子会社の風土改革や外国人社員の人材マネジメントといったサービスへの需要が増えており、各社、支援体制を強化している。
●シンクタンク系
三菱総合研究所(三菱グループ各社の共同出資により設立。官公庁から委託される各種調査研究に強み)
野村総合研究所(野村證券の調査部から分離独立した日本初の本格的な民間シンクタンク。金融、流通分野に強い)
日本総合研究所(三井住友フィナンシャルグループ傘下。同グループ向けのIT関連業務がメイン)
戦略からITまで幅広いサービスを提供するシンクタンク系コンサルティングファームは、母体である大手証券やメガバンクなどグループの総合力を活かした事業展開に強みを持つ。例えば、野村総合研究所はシステム開発会社の野村コンピュータシステムと合併し、IT領域までカバーする現在の総合的な体制を確立。三菱総合研究所は、システム開発会社である三菱総研DCSの連結子会社化や、三菱UFJフィナンシャル・グループとの業務提携などにより、IT部門の拡大を図っている。
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