ここが重要ポイント! 女性の就活

女性の就活 先輩たちの選択、そして実際

ここでは、データから先輩女性社員の選択や実際の状況を見ていこう。以下、ポイント別にデータを紹介し、解説する。

 

勤続10年を超える女性正社員は全体の37.1%。14.7%が20年以上勤続。正社員以外の場合は10年以上勤続が19.4%。

(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より)

 

正社員の5割以上が第1子出産後も終業を継続している。一方、派遣やパートの場合は2割以下。

(国立社会保障・人口問題研究所「第 14 回出生動向基本調査(夫婦調査)」平成 22 年より)

 

生涯賃金は正社員と正社員以外では大きく差がある。また、正社員でもいったん退職してしまうと、その後、新たに働いても大きな生涯賃金格差が存在する。大学卒業後、22 歳で就職、28 歳で第1子、31 歳で第2子を出産した女性が、子どもの手が離れた37歳で正社員として再就職した場合、就業中断をすることなく定年まで勤務した正社員と比較して約1億円、パート、アルバイトとして再就職した場合では、約2億3000万円の生涯賃金の差が生まれる。

(内閣府「平成 17 年国民生活白書」より)

 

上記は厚労省が作成している「女子大学生就活ガイド」に掲載されたデータの抜粋である。このデータから推計すると、出産後も長く正社員として働いている女性は20%程度となるだろうか。逆に言うと、80%の女性正社員が退職まで働いていない、ということになる。
生涯賃金の格差も正社員でいるのと、そうでないのとでは大きな違いがある。もちろんお金だけがすべてではないが、こういう事実を知っていて決断するのと、そうでないのでは大きな違いがある。しっかりと事実を見つめよう。

 

続いて、「日経就職ナビ」を運営する株式会社ディスコが2013年3月に発表した「女子学生の就職活動アンケート」を見ていこう(2013年卒生のうち、卒業までに就職先が決まった女子学生約200人を対象としたもの)。

 

職種コース(当初の希望→実際の職種)

1 総合職 63%→57%

2 エリア総合職 19%→20%

3 一般職 15%→13%

 

このデータからは、総合職志向の高さがうかがえる一方、途中でコース変更したり、希望通りの職種につけなかった学生が存在していることがわかる。また、この職種コースを選んだ理由は、以下のようになっている。

 

職種コースを選んだ理由

1 総合職 → 給与水準、男性と対等に働きたい、学歴に見合った仕事がしたい、勤務地が広範の方が自分の可能性が広がる、海外勤務希望

2 エリア総合職 → 実家のある場所で仕事の幅を狭めずに働きたい。結婚、出産後も無理せず働けると思った、転勤は望まないが責任ある仕事がしたい

3 一般職 → 転勤があるとライフプランがたてにくい、生まれ育った場所に愛着がある、結婚後も仕事を続けられる

 

もう1つ、先輩たちが企業研究で意識したことについてのデータを紹介しよう。

 

●企業研究で最も意識したことは「残業や休日出勤の実態」で 63%。総合職入社者では 59%だが、総合職以外での入社者では 68%となっている。2位の「育児休暇の取得率」(57%)では総合職 60%、それ以外 52%と、総合職入社者の数値が高く、出産後の働き方まで強く意識している様子がうかがえる。以下、3位「女性社員の平均勤続年数」(48%)、4位「転勤の実態」(42%)、5位「女性管理職の人数(割合)」(27%)と続く。

 

ディスコのデータから読み取れるのは、総合職でバリバリ働きたいという希望を持ちながらも、出産・育児なども念頭に置いている先輩たちのアグレッシブな姿だ。志は高い方がいいとも言えるが、定年まで働く正社員女性が2割程度という推計を考慮しても、しっかりとした人生設計とキャリアプランをベースにした企業・職種選びが望まれる。

 

また、企業も結婚後、出産などですぐに辞められては困るので、職種コース変更をにおわせたりするケースもあると聞くが、しっかりしたキャリアプランがあれば、そこは突破できるだろう。

 

 


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