業界研究 銀行
お金の循環をつかさどり、経済の活性化を促す
業界キーワード
●有価証券評価損
所有する有価証券(国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、企業が発行する株券や社債券など)の時価が取得した際の原価よりも下落している場合に計上される損失。
●量的・質的金融緩和
日本銀行が2013年4月に導入した金融緩和政策。かつてない規模の金融緩和であることから「異次元緩和」とも呼ばれる。日本銀行が金融機関から国債や上場投資信託(ETF)などの金融資産を買い入れることで世の中に出回るお金を増やし(量的緩和)、デフレからの脱却を図っている。また、満期までの期間が長い国債や、幅広い金融商品など、金融機関から購入する金融資産の種類を重視する(質的緩和)ことで、長期金利の押し下げや株式・不動産など資産価格の上昇を促し、企業の資金調達を拡大する狙いもある。
●アベノミクス
2012年12月に誕生した第2次安倍晋三内閣の経済政策。安倍とエコノミクスをかけ合わせた造語。「大胆な金融緩和政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を「3本の矢」として実行することで、長期にわたるデフレからの脱却と、持続的な経済成長の実現を目指している。
●中小企業金融円滑化法
中小事業者や住宅ローンの借り手に対する金融円滑化を目的に制定された法律(2009年12月施行)。正式名称は中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」。借り手からローンの申込みがあった場合、銀行は貸付条件の変更など、債務弁済負担を軽減するための措置をとるといった努力義務が課せられている。2011年3月までの時限立法だったが、2013年3月まで延長された。期限切れによって中小企業の資金繰りが悪化し、不良債権が急増することが懸念されていたが、終了後も返済条件の緩和に応じるよう政府が銀行に要請したこともあり、大きな変化や混乱は現れていない。