データと感覚値から読み取る「2015年卒の就活動向」

就活現場での感覚値と、要注意キーワード「二極化」

就職活動の現場に身を置いているキャリアセンターの関係者や大学で指導をしているキャリアコンサルタントに話を聞くと、前ページで示した統計データと感覚的に食い違いが生じる。彼らの実感値としては、2014年卒の就職内定率は現状でも「就職希望学生の半分強」といったところが中心で、公の統計とは5〜10%程度の開きがある。
また、同様に2015年度についての採用動向の感触を聞いてみても、「前年並み」あるいは「消費税導入の影響がどう出るか」といった言葉が目立った。現場で少しでも学生の就職率を高めようと日々努力されている方々の言葉なので、そういう意味では、2015年卒の就職状況についてはあまり楽観的にはなれないととらえるべきだろう。

 

彼らは一様に「企業が少数の優秀な学生をしっかり見て採ろうとしている」と言う。それを裏付けるように2014年卒の先輩たちからのヒアリングからは「集団面接は減って、個人面接の回数が増えた」「リクルーター制を導入している企業が増えて、本番の面接の前にリクルーターの先輩とのやり取りが増え、合計すると10回以上の面談、面接を行った」など、1人の学生をしっかりと見極める活動が目立つようになってきている。エントリーシートなど、個々の学生の就活対策がしっかりした影響もあるのだろうが、この傾向は2015年も継続するものと思われる。

 

企業や大学の就活関係者双方から出た、もう1つの重要なキーワードは、就活の「二極化」。この言葉は「内定を取る人はたくさん内定を取り、内定を取れない人はまったく取れない」ということを表している。つまり、少数の人に内定が集中し、多くの人は内定が得られない状況のことだ。就活解禁が3年次の12月に変更になって以来、就活の密度が高まったわけだが、どういうわけか、学生たちの準備時間は減っている。9月解禁時代の先輩たちでさえ、時間が足らないと言っていたわけだから、就活サイトのオープンに合わせていては、就活準備が間に合うはずもない。今すぐにでも着手しよう。さらに、2015年卒の企業説明会は解禁と同時のタイミングで行われるものも多いと予測されている。企業研究などの事前準備がないと、説明会も有効に利用できない。事前準備はしっかりと意識しよう。


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