業界勢力図 医薬品・化粧品・トイレタリー
トイレタリー 〜 各社ともアジアで積極展開。欧米大手とのシェア争いが激化
トイレタリー業界売上高ランキング&対前期比
1 花王 1兆0,125億円 減少
2 ユニ・チャーム 4,957億円 増加
3 ライオン 3,351億円 横ばい
4 アース製薬 1,254億円 増加
5 小林製薬 1,215億円 やや減少
(数字は2012年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)
主要企業の最新動向&トピックス
●1位 花王
原料からの一貫生産と物流・販売システムが強み。ヨーロッパやアメリカ、アジアなどに多くの拠点を持ち、シャンプーや衣料用洗剤、ヘアケア用品など、それぞれの国の生活習慣に合った商品展開を行っている。中国を中心にアジア事業の強化に取り組んでおり、「アタック」「ロリエ」「ビオレ」「ブローネ」「アジエンス」などのブランドを海外でも展開。国内では香りが楽しめる柔軟剤・衣料用スプレー「フレア フレグランス」といった高付加価値商品の投入や、特定保健用食品「ヘルシア」による機能性食品事業への進出などにより、収益拡大を目指している。
●2位 ユニ・チャーム
生理用品、紙おむつ、マスクなどの衛生用品で高シェア。アジア、オセアニア、中東諸国、北アフリカの各国で紙おむつや生理用品などを提供。国内市場で好調の高齢者用尿もれ防止用パッドやパンツ型おむつを、日本同様に高齢化が進む台湾、タイで販売、中国では低価格帯の紙おむつを発売するなど、国ごとの生活スタイルに合わせた商品展開で海外事業を拡大している。2011年度には中国での売上が連結売上高の10%を超えるまでに成長しており、2020年をめどに中国・上海へ本社機能を移管する構想を明らかにしている。
●3位 ライオン
オーラルケア首位。「クリニカ」「デンター」「キレイキレイ」「トップ」「チャミー」などのブランドで、幅広く日用品を展開している。タイ、韓国、マレーシアなどアジアの8つの国と地域に進出し、自社ブランドだけでなく各国独自のブランドを展開するなど、その国の文化や生活習慣に適した商品販売を推進。近年はタイ、マレーシア、中国で生産能力の増強を図っている。また、2006年からはグループの環境保全活動の一環として独自のエコ基準を定め、植物原料の使用や包装材料の削減など環境に配慮した製品開発にも取り組んでいる。
●4位 アース製薬
大塚HDのグループ企業で、殺虫剤首位。「ごきぶりホイホイ」「アースノーマット」「ゴキジェット」「ダニアース」などが主力で、ワンプッシュ式蚊とりや設置型虫よけ剤などの新製品も好調。殺虫剤以外にも、オーラルケア、入浴剤、芳香剤など日用品を中心に手掛け、2008年には トイレタリー世界1位のP&Gから薬用石鹸「ミューズ」の販売権を取得している。タイを皮切りに早くから海外進出に取り組み、アジア、オセアニア、中東、アフリカ、欧米などで事業を展開。2005年以降は中国に相次いで製造・営業拠点を開設し、ブランドの浸透と定着を押し進めている。
●5位 小林製薬
消臭芳香剤1位。家庭用品全般と医薬品を展開。消費者ニーズに合わせた商品開発には定評があり、「トイレその後に」「ポット洗浄中」「熱さまシート」など、わかりやすくユニークな商品ネーミングで知られる。海外では中国、香港、アメリカ、イギリスなど6ヵ国2地域の現地法人を起点に、20の国や地域で商品を販売。治療用カイロや「熱さまシート」など、これまで海外にはなかった商品の投入と積極的な広告投資で海外事業を着実に拡大しており、2015年3月期には海外事業の売上高を2012年の約2.5倍となる200億円とする目標を掲げている。
このほか、オーラルケアに強いサンスター、殺虫剤が柱のフマキラー 、大日本除虫菊、消臭芳香剤が中心のエステーなどがある。
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