脚光を浴びる「グローバル人材」に乗り遅れるな!
グローバル人材が脚光を浴びた背景
ではここで、なぜ「グローバル人材」が近年これほどクローズアップされたのか、背景を探ってみよう。そうすれば、グローバル人材についての理解も深まるはずだ。
まず、「グローバル人材の育成」は経済界が言い出し、国に要請した経緯があることを押さえておこう。
ここしばらく、先進国市場の停滞が顕著になり、企業が成長するためには、新興国を中心とする海外市場を開拓しなければならくなった。その上、国際市場では従来と違って、韓国企業、中国企業の台頭が著しく、世界的な競争が激しくなっている。韓国や中国の企業の多くは、もともと世界を市場としてとらえ、グローバル展開を前提としている。そのため製品、人事や人材育成についても、あらかじめグローバルに通用する経営を意識している。
そういった事情から少なからず日本企業は中国、韓国に水を開けられ、世界市場での存在感を示しにくくなった。今や商品やサービスのみならず、経営もグローバル化なくしては日本企業は競争に勝てない時代に突入したのだ。
グローバル人材の育成は今後の日本の経済的な命運を握る課題なので、政府もしっかりと対応していこうとしている。グローバル人材育成の議論は始まったばかりだが、企業は一刻も早くこういった人材を獲得したいと考えているということは覚えていて損はないだろう。