就活生必見!
スマホ、タブレットを駆使した「スマート就活術」
スマート就活術の落とし穴
一見すると、すごいテンポで革命が進行しているようなスマート就活事情なのだが、そこには落とし穴がいくつか存在する。まず、はじめに言わなくてはならないのは、スマホ・タブレットによって作業は効率化されるだろうが、やらねばならないことの物理量や質は変わらないということ。
就活の原点である自己分析や自己PR、志望動機を作成するのに効率化は図れるが、やるのはあくまで「自分」なので、一概に楽になったと手放しでは喜べない。企業側が求める人材像や選考手法も大きく変化したわけではない。さらに、2014年卒の就活動向を見ると、個人面接が増加している傾向が顕著で、通り一遍の面接での「模範解答」から一歩掘り下げた質問が増えている。やるべきことが変わったわけではないし、さらに深く考えることが求められているのだ。これらのツールの出現により、あくまで情報収集やアイデア出しが気軽に行えるようになったということなので、家に帰ってしっかり情報を整理し、まとめる必要性があるのは変わらない。
情報収集が気軽にできる、ということが実は大きな落とし穴でもある。情報をあまりに収集し過ぎて、整理が追いつかない、という現象も散見されてきた。就活サイトでの一括エントリーの笑い話を聞いたことがある人もいるだろう。一括エントリーすると自分の意中の企業以外の情報が山ほど来て、それを整理するのに時間をとられ、肝心のエントリーシートや面接対策に時間をかけられなかった……という本末転倒な話。
これでは、何のための情報収集かわからなくなってしまう。情報は活かしてこそのもので、収集することに意味があるわけではない。その後の自分なりの「整理・まとめ」こそが重要なのだ。同様に、情報が気軽に集められるようになっても、自分の志望度の高さをはっきりさせて就活に臨むことと、やるべきことの優先度を把握しておくことは、大切かつ不変なことだ。
一方で、OB訪問や仲間との情報共有という意味では、SNSのネットワークの広がりが学生にとってのメリットとなっている。
また、スマホやタブレットは機械であるのでいつかは壊れるし、昨今は個人情報流出の問題も見逃せない。そのため、大切な情報を機械にのみ頼って保管しておくことはオススメできない。手帳など簡単には壊れない紙メディアに「ダブル保存」することをおすすめしたい。
PCをはじめて使用したときのことを思い出してほしい。うれしさのあまりすべてをPCでやろうとして、時間がどんどんかかってしまい「ノートでやっておけば良かった」ということを経験した人は多いだろう。スマート就活もこれと同じ。要はITだけに頼るのではなく、それぞれのツールの特性を踏まえて「使い分け」をしっかり考えて使用するのが重要。新しいモノ好き、メカ好き男子は特に意識してほしい。
2016年卒の学生から就活解禁が4年時の4月となり、今までよりいっそう就活の密度が高まることが推測されている。就活の効果・効率を高めていくのは就活生にとって重要な課題であることは間違いない。
「スマート就活術」はいかに自分の目的にかなった形で、スマホ・タブレットをツールとしてうまく使いこなすかに成否がかかっている。機械に「使われる」のではなく、「使いこなす」意識が何より重要だ。とりわけ、紙メディアとの使い分けが効果・効率アップのカギとなる。「なんでそのツールを使うの?」「何を使ったら効果的で効率がいい?」を自問自答する習慣をつけよう。