1,2年生から始めればこんなに差がつく! 就活必勝セミナー
第9回 「経験」をつんで「できる」を増やせば逆転は可能!
さて、ここから先は、キミたちの世代についての話。大人たちはキミたちの世代を「こう見ている」ということを知るのは、今後のキミたちにとっては参考になるだろう。
キミたちの世代は、教育のあり方からして「競争回避」をしてきた世代だ。行きすぎた受験教育の影響で実施されたゆとり教育もそれに拍車をかけた。最近では、運動会の競走では明確に順位を出さないそうだが、象徴的なエピソードだ。そういう教育のあり方がキミたちの世代の傾向をつくりあげた。キミたちは競争することを嫌がる、避ける世代になっている。さらには目立つこと、責任を取ることも嫌がる……これもさまざまな社会状況を反映しての結果で、キミたちに責任があるわけではないのだが「こんな弱点がある」のを知ることは決して無駄じゃない。「弱点はリカバー」すればいいのだから。
過度な競争はさておいて、健全な競争は個々人の成長を促す。他人と競争するからこそ、自分の弱みや強みも理解しやすいし、それをリカバーしたり、さらに伸ばしたりするモチベーションにもなりやすい。このことは企業にも言える。「差別化」という考え方のベースは実は企業個々が持っている「強み」「弱み」なのだ。
……いい形の競争は決して「悪」ではない。むしろ歓迎すべきことだ。こういうところはある意味「ゲーム感覚」で乗り切ってもいいだろう。また、一度くらい負けたからって、命を奪われるわけでもないし、あきらめる必要は決してない。勝ったり負けたりがあるのは勝負では当たり前。努力と工夫で再度チャレンジすればいい。
そういう意味では学生時代〜就活は、再チャレンジのためのまたとないチャンスだ。今までも語ってきたが、大学受験の成功がそのまま人生の成功ではない。逆に言うと、偏差値の高い学校に入れば人生が保証されるということは今の世の中ではあり得ない。志望の大学に入れなかったとしても、そこで努力し、多くの経験を積み、多くの成果を出せば、そんなことは容易に逆転できる。
就職活動でよく見受けられるのは、大学では勉強も部活もバイトも何もがんばってきていないのに「自分はブランド大学だから、有名企業だけ受ければどこか受かるだろう」と考え、一流企業ばかりを受けて、どこからも内定をもらえないという人のケース。
残念ながら就職では、まだまだ「どの学校を出たか」も評価の対象になるが、同様に「大学で何を学び、何に努力し、何を経験して、どういう成果を出したか」ということも大いに評価される。有名大学で何も成果を出さなかった人と、大学のランクは少し落ちるが、そこで客観的に評価される成果を出した人を比べた場合、どちらの人材を企業は欲しいだろうか?
直接、人事担当者からお話を伺ったのだが、最近話題になった某大手IT企業が「一芸入社」枠を拡大した理由は、一芸に秀でた学生たちは「成果の出し方を知っていて、成果を出すための努力や工夫をいとわない」からだという。だから、大学時代にどんな経験を積むかは、この一芸に秀でるのと同様の価値を身につける大きなチャンスなのだと認識してほしい。
「不足している能力はリカバーし、得意な部分はさらに伸ばす」、これは大人になっても大切な「金の教え」だ。年齢を経るとともに筆者にはその実感が強くなっている。たまには大人の言うことも聞いてみよう(笑)。そして学生時代という時間を有意義な「経験」へと変えていこう。
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