1,2年生から始めればこんなに差がつく! 就活必勝セミナー
第5回 就活の都市伝説、ウソ・ホント!?
自らの情報回路をチェックしよう
さかんに報道されたので覚えている人もいるだろうが、2011年度卒の人の就職活動で、企業説明会への参加申込が殺到し、「秒殺」という事態が起こった。スマートフォンを持っていない学生は不利、ということでこの事態を受けてスマートフォンが就活生に売れたという。
なぜこんなことが起きたのだろうか? それは先輩などから「企業の説明会に参加しないと内定がもらえない」というまことしやかな噂が流れたから。もちろんそういう企業もごく一部あるだろうが、そんなことで内定を出す企業はいい企業だろうか? 多くの企業は、「より有能な学生を採用したい」ということで、就活サイトを利用し、たくさんの学生のエントリーを集めている。そういうスタンスの企業が、先着や抽選の説明会に参加しなかったというだけで、内定を出さないだろうか? それが公になったら「機会均等を守っていない」ということで、企業は社会的批判にさらされ、場合によっては罰せられるだろう。
企業の採用に対する考え方(論理)や世の中の常識で判断すればわかりそうなものなのだが、「先輩が言っている」という理由で、それを全面的に信用し、前回のパニックにいたったわけだ。企業の目的は何か? 企業が何を考えているのか、世の中の常識としてはどうなのか……などを自分でしっかりと判断できれば、踊らされることはなかっただろう。もちろん、その企業説明会に参加できなかった学生で内定をもらっている人を私は多数知っている。
こういうことが起きる原因のもう1つに、キミたちの情報ルートが少なすぎることが挙げられる。だからある人が言った言葉の「ウラ」(つまりは真偽)を判定することができないのだ。先輩、同級生、親、先生……mixiでマイミクがたくさんいても、twitterでフォロワーがたくさんいても、彼らはサークルやゼミでいつも顔を合わせているメンバーだったりする。だから簡単にだまされてしまう。
同じコミュニティには、同質の情報や評価しか流れない。いくつかのコミュニティに所属していれば、あるコミュニティでまことしやかに流布されている情報が客観化され、相対化されて、その情報の真偽のほどや信頼性などを判断する材料を得ることができる。情報回路は1つのルートだけではなく、いくつかを保持したい。それが「価値観を広げる」「世界を広げる」ということにつながる。
相手の立場に立った論理的な判断、常識、そして複数の情報回路による情報の客観化……こういう就活の「武器」を今から整えよう。そしてその上でしっかりと自分で判断できる自分を作ろう。そうすれば、就活都市伝説は「楽しむもの」でこそあれ、「恐れるもの」ではなくなる。キミはもう「踊らされる」側の人間ではなくなるのだ。
ちなみに……前年の企業説明会事件への対応か、2012年卒の採用ではWEB説明会を開催する企業や、説明会に行けなかった人のためにYou Tubeに説明会映像をアップする企業の動きが広がっていることを付け加えておこう。それでも、「企業説明会に行かないと、内定をもらえないと先輩から聞きました!」と言う学生は毎年現れる。皆さん、ご注意を。
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