業界研究 生命保険・損害保険
病気、事故、災害……「もしも」の時のリスクを補う
業界の特徴
個人や企業が病気やケガ、事故、災害などによって受けた経済的リスクを、保険金を支払うことで補うのが生命保険・損害保険会社の仕事。保険会社は個人や企業などの契約者から集めた保険料を有価証券(債券や株式など)や不動産などに投資して運用し、収益を確保しながら保険金の提供に備えている。
保険は生死に関わるリスクを扱う「生命保険(第1分野)」、人や物に対する損失を保障する「損害保険(第2分野)」、それ以外の傷害、疾病、介護などを扱う「第3分野」に大別される。しかし、損保各社も子会社をつくることで生命保険への参入が可能であり、第3分野のがん保険や医療保険などは生保・損保を問わず、すべての保険会社で扱うことができるなど、近年は規制緩和によって各分野の明確な違いは薄れてきている。
保険の販売手法は規制緩和や時代の移り変わりとともに多様化が進んでいる。生保は営業職員、損保は代理店ルートでの販売が一般的だったが、2007年に銀行窓販が全面解禁となったことから、生保業界では銀行窓販が営業職員の訪問販売に次ぐ第2の販売チャネルへと成長。損保系生保は複数の保険会社の商品を扱う来店型の保険ショップで第3分野商品のシェアを伸ばしている。また、近年はインターネットや電話で簡単に加入できる安価なネット生保や直販系損保が台頭し、急速にシェアを拡大している。